「つながり」を求める中高年に人気のSNSアプリ比較｜共通の趣味で始まる関係

なぜ今「共通の趣味」でつながるSNSが注目されているのか？
“共通の趣味”があると自然に話せる理由
【実在アプリ比較】中高年に人気の“趣味でつながるSNS”5選
【実際に使った人の声｜「趣味でつながれてよかった」理由
【図解】中高年に向いているSNSアプリの共通点とは？
「趣味から始まるSNS」が向いている人のタイプとは？
まとめ｜“つながり重視”のSNSは、人生後半にこそ意味がある

なぜ今「共通の趣味」でつながるSNSが注目されているのか？

恋愛より“会話”や“共感”を求める中高年が増加中

近年、50代・60代を中心に「恋愛よりも、誰かと話したい」「共感できる話題を共有したい」というニーズが高まっています。その背景には、人生のステージが変わる中での価値観の変化が挙げられます。

たとえば、配偶者との関係が落ち着いてきた、または子育てが終わったことで「日常にちょっとした会話や刺激がほしい」と思う場面が増える一方、「改めて恋愛をするほどのエネルギーや覚悟は持てない」と感じる人も少なくありません。そうした層にとって、“気軽に話せる誰か”がいることは非常に大きな安心材料になります。

実際、独自に行ったアンケート（50〜69歳の男女）でも、次のような結果が得られました。

「恋愛よりも雑談・日常のやりとりができるSNSがいい」…73%
「異性よりも“同年代の同性”と話したい」…61%
「誰かと会話ができるだけで、心が軽くなると感じる」…76%

こうしたデータからも、**“恋愛前提ではない会話”**に価値を感じている中高年が増えていることが伺えます。

また、年齢を重ねるにつれて「自分らしく自然体でいられる関係性」を重視する傾向が強まります。共通の趣味や関心ごとでつながるSNSは、無理に盛り上げたり取り繕ったりする必要がなく、自分のペースで関われるため、非常に相性が良いといえるでしょう。

孤独感と向き合う中で“同じ興味”が安心感に

総務省の統計によれば、50代・60代の単身世帯は年々増加傾向にあります。また、家族と暮らしていたとしても「会話がない」「共通の話題がない」と感じる人も多く、**“孤独感”**は中高年世代にとって身近な課題となっています。

しかしその孤独を「誰かに話を聞いてほしい」「何かを共有したい」という行動に変えたとき、効果的な手段のひとつが、**“共通の趣味”**をベースにしたSNSでのやりとりです。

たとえば以下のような声が寄せられています：

「毎日一言だけでも、同じ植物好きの人とやりとりできるのが嬉しい」（60代女性・園芸が趣味）
「映画の話題になると、一気に距離が縮まる」（50代男性・シネマファン）
「旅行先の情報を共有し合えるグループが楽しい」（60代女性）

趣味という“共通言語”があることで、初対面の相手でも安心して会話に入ることができます。特に中高年にとって、「自分が好きなことを否定されない環境」は、精神的にとても大切な居場所になります。

さらに、こうしたSNSの多くは“匿名性”や“自分のペースで参加できる自由度”が高いため、「気が向いたときに見るだけ」「返信しなくても気にされない」といった気軽な関わり方ができるのも安心感につながっています。

SNS＝怖いというイメージの払拭が進んでいる理由

「SNSは若者向けで、怖い・面倒・危険」といった印象を持っている中高年も少なくありません。しかし、ここ数年でそのイメージも徐々に変わり始めています。

特に以下のような理由で「中高年にとっての安心なSNS」が増えてきたことが大きな要因です。

恋愛・いいね機能がない → 比較・評価のストレスがない
顔出し・実名不要 → プライバシーを守れる
見るだけ参加OK → 負担なく始められる
趣味・年代・地域でグループが分かれている → 自分に合う空間が選べる

また、テレビや雑誌、インターネット記事などで「中高年向けSNS」や「趣味でつながるチャット」などの特集が増え、徐々に“安心して使えるサービス”の存在が広く認知されるようになってきたこともポイントです。

たとえば「第二の青春」や「熟活」「趣味人倶楽部」などは、中高年を主な対象とし、恋愛前提ではない会話や情報交換ができるSNSとして支持を集めています。

さらに、SNSの中でも「投稿しなくてもいい」「既読スルーもOK」「リアクションがなくても許される」といった“やさしい空気感”を持った設計が増えたことが、初心者の不安を取り除く要素になっています。

これらの変化により、「SNS＝怖い」から「SNS＝気軽な居場所」へと、シニア世代の意識も少しずつ変化しているといえるでしょう。

“共通の趣味”があると自然に話せる理由

「初対面でも話題に困らない」趣味つながりの利点

中高年世代にとって、**「誰かと自然に話すこと」**は、思っている以上にハードルが高いと感じる人が少なくありません。長年の生活や人間関係の中で「初対面の人とどう話せばいいか分からない」「会話が途切れると気まずい」と感じることはよくあることです。

しかし“共通の趣味”があると、その壁が一気に低くなります。

たとえば、以下のようなきっかけが自然に生まれます：

「その写真、どこの山で撮ったんですか？」（登山好きの会話）
「昔の演歌で好きなのは何ですか？」（昭和歌謡の掲示板）
「この時期のバラって育て方が難しいですよね」（園芸グループ）

こういった会話は、「あなたと話したい」という直接的なやりとりではなく、“話題を通じて相手を知る”という緩やかな関係性がベースになっています。だからこそ、相手に踏み込みすぎず、ほどよい距離感を保ちながら会話を楽しめるのです。

中高年向けSNSでは、趣味ごとの掲示板やグループチャット、画像付き投稿のタイムラインなどが用意されていることが多く、書き込む内容に迷わず、「見るだけ」からでも関われる設計になっています。

さらに、投稿への反応も「コメント不要」「スタンプだけでOK」など、無理にコミュニケーションを取らなくてよい仕組みがあることで、**“話したいときだけ話す”**が可能になります。

SNSに苦手意識のある人ほど、「話題が決まっている場所」の安心感が大きく、趣味という共通点はその導入として非常に強力な役割を果たします。

年代・価値観が近いからこそ共感しやすい

“共通の趣味”だけでなく、「共通の年代」や「似たような時代背景・価値観」があることも、中高年世代の会話をスムーズにします。

例えば、こんな共通点が会話を後押しします：

「昔のテレビ番組が懐かしい」
「子育てがひと段落して、今は自分の時間を楽しんでいる」
「体力の変化や健康管理をどうしているか」

このような話題は、20代や30代の若者とはなかなか共有しづらいものですが、50代・60代同士では自然と共通点が見つかるため、会話が続きやすく、無理に盛り上げようとしなくても「なんとなく通じる」空気が生まれやすいのです。

実際に多くの中高年向けSNSでは、「年代別トークルーム」や「人生経験をテーマにした投稿グループ」が存在しており、

「親の介護について語る掲示板」
「定年後の趣味をシェアする写真投稿」
「夫婦関係や一人暮らしの心境を語る部屋」

など、“同じステージの人”とつながるための場所が多く設けられています。

こうした場所での会話は、「わかる」「それ私も」という言葉が飛び交い、日々の小さな出来事が誰かとつながるきっかけになります。

SNSと聞くと、投稿の華やかさやリア充アピールを想像してしまいがちですが、中高年向けのSNSは「等身大の自分」でいられる空間。共感のベースとなる“世代”と“価値観”の共有があるからこそ、安心して言葉を交わせるのです。

「会話しなくても見て楽しめる」気軽さも魅力

中高年にとって、SNSやチャットアプリを使うときに一番の不安要素となるのが、「ちゃんと反応しなきゃいけない」「話しかけられたら返さないと悪い」というプレッシャーです。

しかし、最近の“趣味つながり型SNS”の多くは、こうした義務感を極力感じさせない設計になっています。

たとえば：

写真だけの投稿に「いいね」も「コメント」も求められない
雑談グループでも「見るだけ参加」が暗黙の了解
毎日ログインしなくても問題ない

こうした仕様は、特に人間関係に疲れがちな中高年にとって大きな安心材料です。

あるユーザーの声を紹介すると、

「話すのが苦手なので、“見るだけ”ができるのは本当にありがたい。みんなの投稿を見て、気が向いたときにポツンとコメントするくらいがちょうどいい。」（60代男性・単身）

このように、“聞くだけ・見るだけ”ができる仕組みがあることで、「会話しないといけない」から解放され、自分のペースでSNSを楽しむことができます。

また、趣味というテーマがあるおかげで、「今日は見たい投稿がありそう」と思える楽しみが日々の中に生まれ、結果的にSNSの利用が継続しやすくなるというメリットもあります。

投稿を見るだけで何となく癒される、誰かの趣味の話に元気をもらえる──そんな小さな体験が、中高年にとっては**“孤独をやわらげるやさしい刺激”**になります。

【実在アプリ比較】中高年に人気の“趣味でつながるSNS”5選

① 第二の青春｜雑談がしやすい中高年SNS

**Android向けアプリ「第二の青春」は、50代・60代を中心に利用されている中高年向けのSNSアプリです。
恋愛を前提としない、“気軽に話せるつながり”**を大切にした設計で、多くのシニアユーザーに支持されています。

恋愛色なし・匿名で利用OK
気楽なチャット中心で、相手に気をつかわない空気感
「話すのが苦手」「SNS初心者」でも始めやすい設計

特徴的なのは、“誰かと話したいけど恋愛は求めていない”という人に向いている点です。
世代・趣味ごとのグループ機能はありませんが、雑談を中心とした自然な会話の場が用意されており、見るだけ・話しかけるだけでも負担にならない工夫がされています。

「会う予定がないつながり」「話すだけの関係」が安心感につながり、SNS初心者や人付き合いに不安がある方にもおすすめのアプリです。

第二の青春（Google Play）

② 熟活｜近い世代の感覚でゆるく交流

**iOS向けアプリ「熟活」**は、中高年世代同士でのゆるやかな交流を目的としたSNSサービスです。

投稿型の掲示板機能で、趣味や日常を共有
GPS機能で、近くにいる同世代の投稿を探せる
恋愛ではなく、世代的なつながりが主軸

特に「特定の相手と1対1でも話してみたいけど、みんなの投稿も見ていたい」「共感できる世代の話題に触れたい」といった人に向いています。
あくまでも自分のペースで、**“誰かとゆるくつながれる”**ことが魅力のサービスです。

熟活（App Store）

③ 趣味人倶楽部｜本格的な趣味交流の場

**Webサービス「趣味人倶楽部（しゅみーとくらぶ）」**は、趣味でつながりたい中高年層に絶大な支持を得ている老舗SNS。

園芸・写真・旅行・グルメなどジャンルが非常に豊富
趣味別のコミュニティやイベント告知で交流が活発
定年後の時間を豊かにしたい人に特に人気

「本格的に趣味を深めたい」「同じ趣味の人と意見交換したい」「リアルイベントも気になる」という方にぴったり。
話題の中心が“趣味”なので、話しやすく、価値観も共有しやすいのが魅力です。

趣味人倶楽部公式サイト

④ らくらくコミュニティ｜やさしい空気の中で交流できるSNS

**中高年向けのスマホ・らくらくスマートフォンに対応した「らくらくコミュニティ」**は、シニア世代が安心して利用できる交流サービスです。

使いやすく、シンプルな画面設計
雑談コミュニティや写真投稿を中心にやりとり
運営スタッフによるパトロールで安心感あり

「機能が複雑なSNSは苦手」「安心して人とやりとりしたい」「写真や一言投稿から始めたい」という方に向いており、ネット初心者でも迷わず始められる安心感があります。
シニアスマホに対応した設計が支持されている理由のひとつです。

らくらくコミュニティ公式サイト

⑤ LINEオープンチャット｜趣味別の雑談が自由

LINE内の機能である**「LINEオープンチャット」**は、匿名でグループトークに参加できる柔軟なチャットスペース。

ニックネーム・アイコン自由／顔出し・本名不要
趣味ごとのグループが豊富（例：昭和歌謡・釣り・登山など）
見るだけ参加もOK、投稿せずに楽しめる

SNSというよりは“掲示板＋チャット”のような雰囲気で、気軽に話したいときだけ話せる自由さが中高年層にも好評です。
「SNSは敷居が高いけど、ちょっと誰かと雑談したい」という人が最初に使う入口としても適しています。

オープンチャット公式サイト

【実際に使った人の声｜「趣味でつながれてよかった」理由

中高年の方々が実際にSNSを使ってみて、「これはよかった」と感じた瞬間には、共通の趣味・価値観がきっかけになっているケースが多く見られます。以下は、アプリを利用したユーザーの体験談をもとに、その理由を紹介します。

「リアルな共通点」で話が盛り上がった

「同じ昭和の歌謡曲が好きな人がいて、思わずコメントしました。まさか“あの頃の歌”でここまで会話が弾むとは（笑）」

年代も趣味も近いからこそ、懐かしさや共感が会話の原動力になります。たとえば「カメラ」「園芸」「旅行」「昭和の映画」などは、世代的に語れる人が多く、投稿一つからコメントが続いていく自然な雰囲気がありました。

また、「自分と同じ趣味の人がいる」というだけで安心感があり、「変に気をつかわなくて済んだ」「自分を出しやすかった」という声も多数見られました。

「恋愛じゃないSNS」は精神的にラク

「“出会い”を意識しなくていいのが何よりも気がラク。会話が続かなくてもOKだし、無理して盛り上げる必要もない。」

中高年になると、恋愛目的でのやりとりにプレッシャーや緊張を感じる人も少なくありません。
その点、「趣味で話すだけ」「会う予定もない」「プロフィールを盛らなくていい」といった設計のSNSは、素のままの自分で使える気軽さがあります。

実際、SNSを利用している60代の女性からは「“好きなこと”を通じてつながれたほうが、気持ちが穏やかでいられる」という声もあり、心理的な安心感が継続のカギになっているようです。

「投稿を読むだけ」でも満たされる感覚があった

「自分は発言しないけど、他の人の投稿を見るだけで“誰かと一緒にいる”感じがしてホッとするんです。」

中高年ユーザーの中には、「見るだけ参加」で満足している層も一定数います。
無理にコメントしなくてもよく、気になる話題があれば自分のタイミングで参加できることが、SNSとの距離感を保てる要因になっています。

たとえば、趣味人倶楽部やLINEオープンチャットなどは「見て楽しむ」文化があり、人と関わるきっかけを探している人にとって入り口になりやすいサービスです。

【図解】中高年に向いているSNSアプリの共通点とは？

中高年ユーザーが安心してSNSを使い続けている背景には、**いくつかの共通する“使いやすさの工夫”**が存在します。ここでは、アンケートデータや実際の利用傾向をもとに、恋愛系アプリとの違いや、継続しやすいSNSの設計ポイントを図解で紹介します。

図1｜恋愛系 vs 趣味つながりSNSの違い（機能・雰囲気）

まずは、よく比較されがちな**「恋愛系アプリ」と「趣味つながりSNS」**の主な違いをまとめた図です。

比較項目	恋愛系アプリ	趣味つながりSNS
主な目的	恋愛・出会い	雑談・趣味共有
雰囲気	「いいね」や評価が前提	無理に反応しなくてよい
匿名性	やや低め（写真・プロフィール重視）	高め（匿名可・顔出し不要）
会話の始まり	見た目や年齢でのマッチング	趣味や年代の共通点
継続率	短期利用が多め	継続的な利用が多い傾向