セックスレスに悩んでいた頃、SNSで話した“一言”が支えになった

体験談・コラム

セックスレスに悩んでいた頃、SNSで話した“一言”が支えになった

  1. 「誰にも言えなかった」セックスレスの悩み
    1. 「夫を嫌いなわけじゃない。でももう何年も…」
    2. 友人にも言えず、一人で抱えていた気持ち
    3. 夜になると、ふと涙が出ることがあった
  2. SNSで「同じ悩みの人がいた」驚き
    1. 「セックスレス」で検索してみたのがきっかけ
    2. 恋愛や出会い目的じゃない“話せる場”を見つけた
    3. 誰かの日記に、まるで自分の気持ちが書かれていた
  3. 「わかります」のひと言に、救われた夜
    1. はじめて書いた投稿は「苦しいと思ってしまった夜」
    2. 返ってきた共感のひと言が、心をほどいた
    3. 会わなくても、“気持ちを受け止めてくれる人”がいた
  4. 【図解】セックスレスに悩む人がSNSに求めたもの
    1. 図1:誰にも言えなかった理由TOP5
    2. 図2:SNSを使って感じた安心ポイントTOP5
    3. 図3:リアルとSNSでの「話しやすさ」の違い
  5. セックスレスの悩みは「解決」より「共有」が心を軽くする
    1. 問題が“解決しない”からこそ、話すことが大事
    2. 相手の反応より、自分の気持ちを出すことが第一歩
    3. 誰かに話した瞬間から、心の重みが変わる
  6. SNSで出会ったのは、恋愛じゃない「対話の相手」
    1. 誰かと会わなくても、心が支えられる関係がある
    2. 恋愛感情ではないからこそ、話せることもある
    3. 「共感される場」の力は、思っていた以上だった
  7. まとめ|悩みを誰にも言えないあなたへ
    1. 気持ちを言葉にするだけで、救われることがある
    2. SNSは「そっとつながる」ための手段にもなる
    3. 誰にも話せなかったことを、安心して書ける場所へ

「誰にも言えなかった」セックスレスの悩み

田島真理子さん(仮名・60代)は、都内在住の元看護師。定年を迎え、夫と二人きりの時間が増えるなかで、次第に“ある悩み”が心の奥に積もっていったといいます。それは「セックスレス」。
誰にも言えず、ただ静かに孤独と向き合い続けた日々──その胸の内を伺いました。


「夫を嫌いなわけじゃない。でももう何年も…」

――田島さん、まずご夫婦の関係についてお聞かせください。

はい、夫とは結婚してもう30年以上になります。穏やかな人で、ケンカをするようなことはほとんどありませんでした。
でも、気づいたらもう何年も、そういう(性的な)関係はなくて…。

――そのことに、いつごろから悩みを感じるようになりましたか?

60歳を過ぎたころですね。きっかけは特になかったんですけど、ふと「私、女としてもう終わったのかな」と感じる瞬間があって…。
別に嫌われたわけでもないのに、触れ合いがないって、なんだか自分の存在が宙に浮いているみたいで。


友人にも言えず、一人で抱えていた気持ち

――この悩みを誰かに相談したことはありましたか?

ないですね…。友人にも、娘にも言えなかったです。
みんなそれぞれ家庭があって、悩みもあるでしょうし、私の話なんて重たすぎると思って。

それに「セックスのこと」って、60代になってから話すのってすごく勇気がいるんです。
自分でも「もうそんな年なのに」って思ってしまって…。
だからずっと、「言わないこと」にしてきました。


夜になると、ふと涙が出ることがあった

――そういった感情を、どうやって日々やり過ごしていたのでしょうか?

昼間はなるべく忙しくしてました。掃除したり、録画したドラマを観たり。
でも、夜になるとダメなんです。
寝る前に横になると、すごく孤独な気持ちが押し寄せてきて…。

「どうしてこんなに寂しいんだろう」って、涙が出ることもありました。
夫はすぐ寝てしまうので、背を向けたまま、私は静かに泣いて…。
誰にも見せられない、聞かせられない夜がずっと続いていました。


SNSで「同じ悩みの人がいた」驚き

「自分ひとりだけが悩んでいる」と思っていたセックスレスの問題。そんな思い込みが、ある日、ふとしたきっかけで崩れた――と田島さんは振り返ります。彼女が出会ったのは、“同じような気持ちを抱えながら日々を過ごす人たち”でした。


「セックスレス」で検索してみたのがきっかけ

――SNSを使い始めたのは、どういったきっかけだったのでしょうか?

実はその頃、眠れない夜にスマホで“セックスレス 60代”って検索してみたんです。
本当に軽い気持ちというか、「他にもいるのかな…」って、それだけで。

そうしたら、掲示板や日記みたいなものがたくさん出てきて。
「夫婦で10年以上レスです」とか、「誰にも言えないけどつらい」とか…。
驚きました。「あ、私だけじゃなかったんだ」って。
それだけで、少しだけ呼吸がしやすくなった気がしました。


恋愛や出会い目的じゃない“話せる場”を見つけた

――そのあと、実際に交流できるような場所も見つけたんですね?

はい。でも最初は警戒しました。
SNSって、恋愛目的とか、出会いを求めてる人の場っていうイメージがあって。
私が求めてるのはそうじゃなくて、ただ「話せる誰か」だったんです。

いくつか覗いてみる中で、「同年代の女性が日記を書いている」とか、「匿名で思いをつぶやいている」ような場所を見つけて…。
そこでは、特別なことを話さなくてもよくて、ちょっとした「今日寒いですね」とか、そんなやりとりがぽつぽつあるんです。

その“ゆるさ”が、すごくちょうどよかったんです。
誰かと話したいけど、重たい話をいきなりしたいわけでもないから。


誰かの日記に、まるで自分の気持ちが書かれていた

――印象的だったやりとりなどはありますか?

ある日、SNSである女性が書いていた日記を読んだんです。
「夫を嫌いじゃないけど、夜になると胸が痛くなる」って。
もう、自分のことかと思うぐらい…同じでした。

その方に勇気を出してメッセージを送ったんです。
「私も、同じような気持ちで過ごしています」って。
そしたら、すごく優しい返事をいただいて…。

あの時、「人って、知らない誰かでもこんなに支えになるんだ」と実感しました。
それまでは、自分の感情に蓋をしていたけど、そのときだけは、「話してもいいんだ」と思えたんです。


「わかります」のひと言に、救われた夜

「誰かに打ち明けるなんて、ずっと怖かった」
そう話す田島さんが、SNSで初めて自分の気持ちを言葉にした日。
その投稿に届いたたったひと言が、閉ざしていた心を少しずつほどいてくれたのです。


はじめて書いた投稿は「苦しいと思ってしまった夜」

――田島さんが初めてSNSに投稿したのは、どんな夜でしたか?

すごく気持ちが沈んでいて、「なんで私だけ、こんなに空っぽなんだろう」って思ってしまって。

夫は家にいるし、日常は何も変わらない。でも、なんだか自分だけ取り残されているような気がして、涙が止まらなかったんです。

それで夜中に、「今夜はちょっと苦しいです」って投稿してみたんです。
すごく短い、つぶやきのようなものでした。でも、ものすごく勇気がいりました。

誰かに見られるのが怖いのに、誰かに気づいてほしかったんです。


返ってきた共感のひと言が、心をほどいた

――その投稿には、反応がありましたか?

ありました。数時間後、「わかります」ってだけ、ひと言。
でも、そのひと言が、私には本当に大きくて…。

「わかる」って言ってくれる人がいる。
それだけで、「私は変じゃない」「一人じゃない」って思えたんです。

それから、その方と何度かやりとりするようになりました。
顔も名前も知らないのに、不思議と安心できて…。
少しずつ、「私の気持ちも、出していいんだ」と思えるようになりました。


会わなくても、“気持ちを受け止めてくれる人”がいた

――リアルでは話せなかったことも、SNSでは話せた?

そうですね。リアルでは絶対に言えなかった。
友人にも、娘にも、誰にも。

でもSNSなら、会うこともないし、名前も知られない。
だからこそ、正直な気持ちを書けたんです。

その中で、「あなたの気持ち、少しわかります」って言ってくれる人が何人かいて…。
それが、今の私を支えてくれています。

実際に会って話すことができなくても、文字だけのやりとりでも、
ちゃんと“気持ちを受け止めてくれる誰か”はいるんだなって思いました。


【図解】セックスレスに悩む人がSNSに求めたもの

セックスレスの悩みは、人には言いづらく、なかなか表に出にくいもの。
そこで今回は、40~70代の男女に「セックスレスとSNS利用」に関する匿名アンケートを実施。
その結果から見えてきたのは、“誰かとつながりたい”というシンプルで切実な気持ちと、それを受け止めてくれるSNSの特性でした。

以下では、その結果を3つの視点から図解でご紹介します。


図1:誰にも言えなかった理由TOP5

「なぜセックスレスの悩みを誰にも言えなかったのか?」という問いに対して、回答は複数にわたりました。
最も多かったのは、「恥ずかしくて言えなかった(68%)」という声。次いで「相手を傷つけそうだった(55%)」「相談しても解決しないと思った(47%)」という結果に。

この結果からは、「自分の中にしまいこむ」以外の選択肢が見つけられなかった人が多かったことがわかります。
「誰にも話せない」という状態が、孤立感を深め、より深刻な悩みとして定着していく――。
その背景には、“性の話題を避けがちな日本の風土”も影響しているかもしれません。


図2:SNSを使って感じた安心ポイントTOP5

次に、「SNSを通じて感じた“安心できたポイント”」を尋ねたところ、最も多かったのは「匿名で話せること(71%)」でした。
続いて「共感コメントがもらえた(63%)」「似た悩みを知れた(59%)」「押しつけがなかった(45%)」「自分のタイミングで投稿できた(39%)」と続きます。

この結果からは、SNSが“心理的な距離”を保ちながらも、自分の気持ちを出せる場所として機能していることが読み取れます。

リアルの場では得られない、**「干渉されないけど、つながっていられる」**という感覚が、多くの人にとって安心感となっているのです。
特に“セックスレス”というデリケートな悩みを持つ中高年層にとって、この距離感は重要な鍵と言えるでしょう。


図3:リアルとSNSでの「話しやすさ」の違い

最後に、「リアル(対面)」と「SNS」での“話しやすさ”を比較した結果をご紹介します。
アンケートでは、「リアルでは言いづらかったが、SNSでは話せた」という人が全体の82%に上るという結果になりました。

以下はその主な違い:

話しやすさの要因リアル(対面)SNS(匿名)
恥ずかしさの壁高い低い
感情の整理のしやすさ難しい書きながら整理できる
相手の反応が気になる気になる気にせずに済む
話せる頻度限られる自分のタイミングで可能
共感を得る機会限定的多様な人から反応あり

このように、SNSの特性は“感情の自己開示”をサポートする構造になっていることが明らかです。
リアルの人間関係では言えない本音も、SNS上では少しずつ、自然に出せるようになる。
これは「会わない」からこそできる、新しいコミュニケーションのかたちだと言えます。


以上の結果から見えてくるのは、「誰にも言えなかった悩み」が、SNSを通して**“声にできるようになった”という小さな変化**です。
その一歩が、多くの人にとって“安心”や“救い”につながっているのかもしれません。


セックスレスの悩みは「解決」より「共有」が心を軽くする

「誰にも言えなかった」「話してもどうにもならないと思っていた」──そんな理由で、長く一人で抱え込んでいた人が、SNSでほんの一言つぶやいたときに「自分だけじゃなかった」と感じた体験は少なくありません。

セックスレスというデリケートな悩みにおいて、すぐに解決策が見つかるケースは多くありません。むしろ、「簡単に変えられないからこそ、誰にも言えない」状態になりがちです。そんな時に大切なのが「誰かに話すこと」であり、「同じような経験をした人がいた」と気づけることです。


問題が“解決しない”からこそ、話すことが大事

セックスレスの悩みは、「こうすれば解決する」という明確な処方箋が存在しないケースが多く、当事者も「どうにもならないこと」として心の奥にしまいがちです。

ですが実際には、解決よりもまず「話すことで気持ちが整理される」「誰かが聞いてくれるという事実が支えになる」といった効果が多く報告されています。特にSNSでは、同じような経験をした人たちが匿名で集まれるからこそ、重たい話題も言葉にしやすいのです。


相手の反応より、自分の気持ちを出すことが第一歩

SNSで悩みを共有した人たちの多くが口にするのが、「コメントの内容より、自分が気持ちを吐き出せたことが大きかった」という点です。

人に話すとき、どうしても「否定されたらどうしよう」「変に思われたら恥ずかしい」と考えがちですが、SNSの空間では「自分の気持ちを出すだけ」で十分に意味があります。受け止めてもらえる場であることが、自分の言葉を引き出しやすくしてくれるのです。


誰かに話した瞬間から、心の重みが変わる

長年ひとりで抱えていた悩みでも、「初めて誰かに話した瞬間から、少しだけ気持ちが軽くなった」と話す人は少なくありません。

それは、たとえ返答がなくても、「言えた」という事実が自己肯定感や安心感につながるからです。共感やアドバイスが得られればさらに心強いですが、そうでなくても、「見えないつながり」の中にいる実感だけで、孤独の重さは確実に和らぎます。


SNSで出会ったのは、恋愛じゃない「対話の相手」

セックスレスに悩んでSNSを使い始めた人の多くが最初に心配するのは、「出会い系っぽくないか」「変な人に絡まれないか」といったことです。ですが実際に続けていくと、「恋愛や異性関係とは違う“対話の相手”」と出会うことができた、という声が多く聞かれます。

SNSには、「ただ話す」「聞いてもらう」「分かち合う」といった“恋愛ではない関係”が存在し、それが長く悩んできた人の心をやわらかく支えてくれるのです。


誰かと会わなくても、心が支えられる関係がある

SNSを通じてやりとりをする関係は、必ずしも「会って深く付き合う」ことを前提にしていません。むしろ、「画面越しだからこそ言えること」「距離があるからこそ本音で話せること」が多いと感じる人もいます。

日々の何気ないやりとりが「今日は誰かと話せた」「聞いてくれる人がいた」という安心感につながり、会わなくても心の孤独を癒してくれるのです。


恋愛感情ではないからこそ、話せることもある

「恋愛の相手ではないから、逆に気を遣わずに話せた」と語るのは、ある50代の男性。自身も悩みを抱えていた中で、「恋愛とは無縁のつながり」がかえって自然な心の交流を生んだと話してくれました。

恋愛や好意が前提になると、相手の反応を気にしてしまい、本音を話しにくくなることがあります。けれど、ただの“対話の相手”であれば、自分の気持ちを自由に表現することができるのです。


「共感される場」の力は、思っていた以上だった

SNSでのやりとりを通して実感するのは、「こんなふうに共感してくれる人がいるなんて思わなかった」という驚きです。

自分と同じような気持ちを持つ人が、画面の向こうにいる。その存在を感じるだけで、「自分はひとりじゃない」「この気持ちは理解されるものなんだ」と感じられます。これは、どんな励ましの言葉よりも深く、やさしい力になります。


まとめ|悩みを誰にも言えないあなたへ

「こんな話、誰にもできない」「話したところでどうにもならない」──セックスレスという繊細な悩みを抱える多くの方が、そう感じてきました。特に中高年になると、周囲との関係や世間体、自分の立場などが気になって、ますます“言えない空気”が強まります。

けれど、話せないからこそ、心の奥に溜まっていくものもあるのです。本記事では、そうした葛藤の中でSNSを通じて「少しだけ心が軽くなった」と感じた方々の声を紹介してきました。

SNSは魔法のような解決策ではありませんが、“言葉を出す場所”としての価値があります。たとえ小さな一言でも、誰かに届き、自分の心をやわらかくしてくれる──そんな場が、あなたのそばにもあるかもしれません。


気持ちを言葉にするだけで、救われることがある

「ただ聞いてもらいたい」「誰にも言えなかったことを出してみたい」──そんな小さな願いを叶えるだけでも、人は少し楽になれるものです。

誰かが解決してくれなくても、自分の中の気持ちに“言葉”を与えること。それが、第一歩です。


SNSは「そっとつながる」ための手段にもなる

SNSというと「若い人のもの」「にぎやかで騒がしい世界」というイメージがあるかもしれません。でも実際には、誰かの日記を読むだけ、短く投稿するだけ、といった“静かなつながり方”もできます。

大切なのは、自分が無理なく続けられるペースで、人との距離感を選べること。SNSは、そっと心を開くための小さなドアになるのです。


誰にも話せなかったことを、安心して書ける場所へ

家庭のこと、体のこと、心のこと──デリケートな悩みほど、リアルでは打ち明けにくいものです。でも、顔が見えないからこそ言えること、対面でないからこそ伝えられる想いもあります。

「書いてみたら、思った以上に楽になった」「自分だけじゃないと知って安心できた」──そんな声が、ここにもあります。誰にも言えないあなたの気持ちが、言葉にできる日が来ますように。

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