50代・60代のための“趣味でつながる”SNSアプリ徹底比較【音楽・園芸・旅行】
50代・60代が“趣味でつながりたい”と思う背景とは
退職後や子育て終了後に訪れる“時間のゆとり”
50代・60代に入ると、仕事や家庭の役割から徐々に解放され、「自分の時間」が増える人が多くなります。
とくに定年退職や子育ての終了といったライフイベントの後は、それまで日常に組み込まれていた人との関わりが自然と減っていきます。
こうした変化は、“自由な時間”として前向きに捉えられる一方で、「会話が減った」「誰かと話すきっかけがなくなった」と寂しさを感じる場面も少なくありません。
そこで浮上してくるのが、「趣味を通じてつながりたい」という思いです。
忙しさの中で後回しにしていた趣味にもう一度向き合いながら、同じ関心を持つ人と関われる時間は、人生の後半をより豊かにしてくれる大切な要素になっています。
「価値観が合う人と話したい」気持ちの強まり
年齢を重ねるとともに、人間関係において「肩の力を抜いて話せる」「気を使わなくて済む」という“居心地のよさ”が、若い頃以上に大切になります。
とくに50代・60代では、「ただの雑談よりも、自分の好きなことを共有できる人がほしい」という気持ちが強まる傾向があります。
このとき、共通の趣味や興味を持っていることが、自然な会話や信頼関係のきっかけになるのです。
中高年ユーザーの声を見ても、「自分と似た価値観の人と話すと、気疲れしない」「同じ経験や懐かしさを共有できるのがうれしい」というコメントが多く寄せられています。
“誰とでも”ではなく、“自分に合った誰かと”。
そんな思いが、趣味を通じたつながりへの関心を高めているのです。
「同じ趣味の仲間がいれば…」という声が増えている理由
最近では、SNSやアプリを通じて“同じ趣味を持つ人とつながりたい”と考える中高年の方が増えています。
実際、50代・60代の利用者が多いSNSでは、「音楽」「園芸」「旅行」「写真」「映画」「昭和歌謡」など、共通の話題で盛り上がるコミュニティが人気です。
これは、リアルな生活ではなかなか見つからない“趣味の話ができる相手”を、インターネット上で気軽に探せるからです。
さらに、SNSなら「投稿を見るだけ」「コメントに一言添えるだけ」など、無理のない関わり方ができるのもポイントです。
「地元に趣味仲間がいない」「新しくサークルに入るのはハードルが高い」
──そんな思いを持つ中高年世代にとって、趣味でゆるやかにつながれるSNSは、新しい人間関係の扉を開く手段として注目されています。
“趣味つながりSNS”が中高年に向いている理由
「話題に困らない」=会話のハードルが低い
中高年世代がSNSを使ううえで、最も不安を感じやすいのが「何を話せばいいのかわからない」という壁です。
しかし、趣味をテーマにしたSNSなら、その心配は大きく減ります。
たとえば「最近植えた花の写真を投稿する」「好きな音楽の話をする」「旅の思い出を共有する」といったように、
“話したいこと”が自然と浮かんでくる環境が整っているのです。
同じ関心を持つ人同士なら、説明や前置きがなくても会話が成り立ちやすく、コメントや反応もしやすくなります。
「共通の話題がある」ことが、SNSでの会話のハードルをぐっと下げてくれるのです。
「匿名・ニックネーム」でも安心して関われる
多くの中高年ユーザーがSNSに対して抱くのは、「本名や顔出しが必要なのでは?」という不安です。
ですが、“趣味つながり”に特化したSNSの多くは、ニックネームでの登録が可能で、プロフィールも簡素なものがほとんど。
実名を出さなくても参加できるため、「知らない人に個人情報が見られるのが怖い」と感じていた方でも安心して始められます。
また、SNS運営側が不審なアカウントを監視していたり、通報機能が整っていることも多く、
中高年にとって“安心して使える場所”として、徐々に利用者が広がっています。
「匿名なのに、ちゃんと人とつながれる」──
そんなバランス感覚が、無理なく交流できる理由のひとつです。
「見るだけOK」な設計が、初心者にもやさしい
SNSに苦手意識がある方ほど、「自分から話しかけるのは緊張する」「投稿って難しそう」と感じるもの。
でも、“趣味つながりSNS”の多くは、「見るだけでOK」という使い方が許されているのが特徴です。
気になる話題の投稿を眺めたり、コメント欄のやりとりを読むだけでも、そのSNSの雰囲気や温度感が伝わってきます。
無理に発言しなくても、自分に合った人たちを見つけたり、心が動く瞬間に出会うこともあるのです。
そして、「この人なら話せそう」と思える投稿に、スタンプを送ってみたり、一言コメントを添えることで、
少しずつ交流が広がっていきます。
“静かに始められる”安心感こそが、中高年に向いたSNSの設計といえるでしょう。
【比較】趣味でつながるSNS・アプリ4選
中高年世代の間でじわじわと広がっているのが、「趣味でつながれるSNSアプリ」。
今回は、音楽・園芸・旅行などの分野で特に人気のある、実在サービスを4つご紹介します。
いずれも中高年の利用者比率が高く、匿名OK・無料で始められる点が魅力。
「自分の趣味で人と話したい」「同じ関心を持つ人とゆるく交流したい」と感じている方におすすめです。
第二の青春(Android)|園芸・旅行系のチャットが人気の交流アプリ
「第二の青春」は、50代・60代を中心としたユーザー層に特化したチャット型SNSアプリです。
プロフィール登録後は、園芸・旅行・ペット・料理などの話題で気になる人にメッセージを送ることが可能。匿名・ニックネームでの利用OKなので、安心感も抜群です。
操作はとてもシンプルで、スマホ初心者にもやさしい設計。
園芸の話題や、旅行先の思い出写真なども多く投稿されており、**「趣味を通じて自然に会話できる場」**として人気を集めています。
- 匿名OK/登録無料/Androidのみ対応
- 投稿機能はなく、チャット中心の構成
- 同年代同士の雑談・趣味トークが盛ん
熟活(iOS)|音楽・映画など“感性の合う相手”と語り合える設計
iPhoneユーザーに人気の「熟活」は、掲示板・検索・GPSなどを活用して、趣味や感性の近い人を見つけやすいSNSです。
登録時にプロフィールに趣味や関心ジャンルを書くなどで、音楽・映画・本好きな人同士のつながりも生まれやすく、
“価値観重視”で会話を楽しみたい人に向いています。
掲示板では日常の話題からちょっとした人生相談まで投稿でき、
共感できるトピックに返信するだけでも気軽に参加できます。
- 匿名OK/登録無料/iOS(iPhone)専用
- 掲示板+チャット+検索機能がある
- 同じ趣味・関心を持つ人を探しやすい
趣味人倶楽部(Web)|本格的な趣味仲間が集まるシニア向けSNS
中高年世代の中でも、「もっと深く趣味の話をしたい」「同じ趣味の仲間とオフラインでも会いたい」
という方におすすめなのが、「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」。
旅行・写真・釣り・カメラ・俳句・料理など、多彩な趣味別コミュニティが用意されており、
掲示板でのやりとりや日記機能、さらにはイベント参加なども可能です。
本格的に趣味を共有したいという人にとって、まさに“深いつながり”が得られるSNSといえるでしょう。
- ニックネーム登録OK/基本無料(有料会員あり)
- Webブラウザ対応/PC・スマホ両方で利用可
- 趣味別コミュニティ・イベントが豊富
らくらくコミュニティ(Web)|写真投稿や日記で“趣味日常”を共有
「らくらくコミュニティ」は、スマホ初心者向けSNSとして人気。
特に「日常の中にある趣味」をゆるやかに共有したい人にぴったりの設計です。
旅行先の風景写真、育てている植物の記録、ちょっとした料理など、
**“自分のペースで発信”できる点が支持されており、**コメントを通じてゆるやかな交流が続きやすいのも特徴です。
- ニックネーム利用OK/登録無料/Webブラウザ版
- 写真・日記投稿中心で、文章が苦手な人でも安心
- 趣味ジャンルの投稿にコメントしやすい構成
【図解】趣味SNSを選ぶポイントと満足度比較
「どのSNSを選べば、自分に合った“趣味のつながり”が見つかるのか?」
実際に中高年ユーザーにアンケートを行い、人気ジャンルや満足度が高かった理由をまとめました。
選ぶときのヒントになるだけでなく、「どう使えば自然なつながりができるのか?」も、見えてきます。
図1:中高年に人気の趣味ジャンルTOP5
まず、50代・60代の方々に聞いた「SNSで話したい・つながりたい趣味ジャンル」のランキングです。

1位は旅行、2位は園芸・家庭菜園、3位は音楽(特に昭和歌謡など)がランクイン。
続いて料理・グルメ、写真・カメラなど、「日常の中にある楽しみ」が多く挙がる結果となりました。
これらのジャンルは、日々の何気ない発見や記録を共有しやすく、会話の糸口になりやすいため、SNSでも特に人気です。
図2:「趣味SNSを使ってよかった理由」ランキング
次に、「趣味SNSを使ってよかった」と感じた理由を聞いたアンケート結果をご紹介します。

上位に挙がったのは、以下のような声でした。
- 同じ話題で話せるから、会話がスムーズ
- 一人でも投稿や写真を楽しめる
- コメントやスタンプで“反応”があるのがうれしい
- 気軽に誰かとつながっている感覚がある
- 同年代の人が多く、安心して話せる
共通していたのは、「共通の話題があると、関係が続きやすい」という点。
“はじめまして”でも趣味の話があるだけで、やりとりが自然に生まれるという声が多く寄せられました。
図3:「趣味SNSで仲間ができた人」の交流ステップ
実際に「SNSで仲間ができた」と答えた方々は、次のようなステップで関係を築いていったという傾向が見られました:
ステップ | 行動内容 | 特徴 |
---|---|---|
Step 1 | 見るだけで雰囲気をつかむ | 他の人の投稿を読んで、どんな空気かを知る。無理なく始められる。 |
Step 2 | 気になった投稿にリアクション | スタンプや一言コメントなど、軽い反応から交流スタート。 |
Step 3 | 自分でも投稿してみる | 趣味の写真や日常の一コマを投稿。無理のない内容でOK。 |
Step 4 | やりとりが続く相手ができる | コメントをきっかけに、自然と会話が生まれるように。 |
Step 5 | “趣味友”として定期的な交流へ | 共通の趣味があるからこそ、やりとりが習慣になりやすい。 |
このように、段階を追って関係を深められる設計こそ、中高年に支持されるSNSの特徴と言えます。
体験談|趣味SNSで“つながり”が生まれた中高年の声
実際に趣味SNSを活用している中高年ユーザーからは、「日々の生活に変化があった」「人とつながることの大切さを実感した」といった声が数多く寄せられています。ここでは、代表的な3つの体験談をご紹介します。
60代女性「旅行の写真をきっかけに会話が始まった」
「最初は見るだけのつもりでした。でも、以前訪れた温泉地の写真を何気なく投稿したら、想像以上に反応があって驚きました。『そこ、私も行きました!』というコメントからやりとりが始まり、今では“旅好き仲間”として定期的に会話する関係に。直接会わなくても、誰かと旅の話を共有できるのがうれしいです。」
70代男性「園芸の話題で毎日誰かとやりとりしている」
「庭で育てている花の写真を投稿したら、他の人から『うちも咲きましたよ!』とコメントが。そこから“植物仲間”ができて、最近は毎日のように園芸の話をしています。年齢も近くて気楽に話せるし、育て方のコツを教え合ったりして本当に楽しい。こんなに会話が増えるとは思いませんでした。」
50代女性「同じ昭和歌謡好きの人とつながれた」
「昔から昭和歌謡が大好きなんですが、周りに語れる人がいなくて…。でもSNSで“昭和歌謡好き”と書いていた人を見つけて、勇気を出してコメントしたんです。すると向こうもすごく喜んでくれて、それ以来やりとりが続いています。同じ歌を懐かしむだけで、心が近づけるんだなと感じました。」
中高年が“続けやすい”趣味SNSを選ぶチェックポイント
「せっかく始めたSNS、すぐにやめてしまった…」という声は少なくありません。とくに50代・60代以上の方にとっては、「自分に合うかどうか」が続けられるかの大きな分かれ道になります。以下の3つのポイントを押さえておくと、“趣味SNS選びの失敗”を防ぐことができます。
「同年代の利用者が多いか?」
SNS内での会話や交流を自然に続けるには、「年代が近い人」がいることが大切です。
若い世代が多いSNSだと、話題のテンポや使い方が合わず、疲れてしまうケースも。逆に、50代・60代の利用者が多いSNSでは、話題の共通点も多く、投稿内容にも安心感があります。
最初の登録前に「中高年向け」「シニア歓迎」などの文言があるかチェックしたり、実際の口コミを確認するのもおすすめです。
「趣味カテゴリーが充実しているか?」
趣味SNSといっても、扱っているジャンルはサービスによってさまざまです。
旅行・園芸・音楽・写真・料理など、自分が楽しみたいジャンルに関するコミュニティやトークルームがあるかを事前に確認しておくと、入ってから「話す相手がいない…」と困ることがありません。
また、「カテゴリー分けが細かく整理されているか」もポイント。検索しやすい設計になっているSNSは、初心者でも迷わず使いやすくなっています。
「操作や投稿が簡単か?」
中高年世代にとって、「難しい操作」はSNS継続の大きな障壁になります。
・ボタンが大きくて見やすい
・文字入力がしやすい
・“見るだけ”でも使える
・写真投稿が簡単
など、機能がシンプルなSNSは“習慣化しやすい”というメリットもあります。中には、日記感覚で一言を書ける投稿機能や、ワンタップで送れるスタンプ返信機能があるSNSもあり、「話すのが苦手でも続けられた」という声も多数見られました。
無理に話す必要はなく、「自然と続けられる」ことがSNS選びの大前提。まずは操作や雰囲気が合うものから、気軽に試してみるのがおすすめです。
【まとめ】“趣味”があるから、自然に会話が生まれる
50代・60代になってからの“人とのつながり”には、無理のない心地よさが何よりも大切です。
その中でも「趣味を通じた交流」は、自然体のまま会話ができる貴重なきっかけになります。
「話題があるつながり」は、長く続きやすい
何気ないやりとりでも、共通の趣味があるだけで会話がスムーズに進みます。
特別なことを話さなくても、「その写真きれいですね」「うちも育ててますよ」といった一言から関係が深まることも。
実際に、「長くつながっている相手は、趣味の話から始まった」という声は多く、会話が義務ではなく“楽しみ”になっている様子がうかがえます。
「気の合う人と出会える場」を見つけよう
大事なのは、“多くの人とつながること”ではなく、“自分にとって居心地のいいつながり”を見つけること。
趣味をきっかけに出会った人とは、話題に困ることが少なく、気を使いすぎずに交流できます。
とくに「匿名で始められる」「中高年の利用者が多い」「見るだけでもOK」といったSNSは、そうした“心のよりどころ”になりやすい傾向があります。
まずは気軽に、趣味ジャンルをのぞいてみることから
「SNSは難しそう」「会話に入っていけるか不安」という方でも、最初の一歩は“のぞくだけ”で大丈夫です。
旅行の写真を見てみる、園芸の日記を読んでみる、それだけでも「自分にもできそう」と感じるはず。
そして、少しずつ「いいな」と思った投稿にスタンプを送ったり、短くコメントするだけで、ゆるやかなつながりが始まっていきます。
“話すこと”に自信がなくても、“趣味”がきっかけなら、自然に言葉が出てくる。
そんな体験を重ねながら、ぜひあなたも「会話のある日常」をもう一度取り戻してみてください。