外出の機会が減った今、SNSがもたらす“新しいつながり”
外出しなくなって感じた「孤立」の実感
以前は、ちょっとした買い物、近所の友人との立ち話、町内会の集まりなど——
日々の中に自然と“誰かと話す時間”がありました。
しかし、年齢を重ね、体力の衰えや移動の不便、さらにはコロナ禍の影響などが重なった今、「気づけば一言も発していない日がある」と感じる方も少なくありません。
「誰とも話さなかった日」が1日、2日と続いたとき、それは“ひとりの時間”ではなく“孤立”へと変わっていく可能性があります。
■ 外出の減少がもたらす“会話の消失”
中高年世代の外出機会が減る要因には、次のようなものがあります。
- 退職により日常の外出機会が激減
- コロナ以降、集まりやイベントの中止が増えた
- 体調や足腰の不調で移動を避けるようになった
- 同世代の知人との距離感や付き合い方の変化
これらの変化がもたらすのは、“移動の減少”だけではありません。
それと同時に、「言葉を交わす機会の減少」=会話そのものの減少も静かに進行していくのです。
「1週間で話したのは、宅配の人に“ありがとうございます”って言ったくらい…」
——60代男性・定年後
■ 会話がないと、気持ちのリズムも崩れていく
会話というのは、ただ情報をやりとりするだけではありません。
相手の反応を受け取ったり、自分の言葉を返されたりすることで、心のリズムや“自分はここにいる”という実感を得る大切な行為です。
しかし、会話の機会がなくなるとどうなるか。
- 気分の浮き沈みが激しくなる
- 一人で考え込む時間が増える
- 自分のことを話す機会がなくなり、存在感が薄れる
- 考えが堂々巡りし、気持ちが整理できなくなる
これはまさに「誰かに話したいけど、話す相手がいない」状態。
いわば“静かな孤立”です。
■ 「自分は大丈夫」と思っていた人ほど、ある日ふと気づく
中高年世代の多くは、「人に頼らない」「ひとりの時間が平気」と思っている方も多いのが特徴です。
そのため、孤立していることに自覚がないまま時が過ぎることもあります。
「最初は“この静けさも悪くない”と思っていた。でも、1か月後に“誰にも話していない”と気づいて怖くなった」
——70代女性・一人暮らし
こうした“孤独の自覚”は、ある日突然やってくることも珍しくありません。
そしてそれが気づかぬうちに、心や身体の不調として表面化してくるのです。
■ 孤立の背景にあるのは「話し相手の不在」
高齢者意識調査(令和5年)でも、「相談相手がいない」「話し相手が減った」と答えた60代以降の人の割合は年々増加しています。
外出機会が減ることは、単に物理的な行動範囲の縮小だけでなく、“感情の出口”を閉じてしまうきっかけにもなり得るのです。
■ 「話すこと」は外出よりも大事な“心の運動”
人と話すという行為は、脳を使い、気持ちを動かし、自分自身を外に向けていく“心の運動”でもあります。
それをしなくなったとき、体と同じように心も動かなくなっていく——。
これが、外出減少がもたらす最大のリスクとも言えるでしょう。
変わる人づきあい|“会わずに話す”という選択
以前なら、「人とつながる」といえば対面が当たり前でした。
家族との団らん、友人とのお茶、地域の集まり。
それらはすべて“顔を合わせて会話をする”ことが前提だったのです。
しかし、社会の変化や個々のライフスタイルの変化により、「会わないつながり方」が少しずつ日常に浸透し始めています。
それは、対面を避けるための妥協ではなく、心地よさや自分らしさを大切にした選択肢として、中高年世代にも受け入れられつつあるのです。
■ 対面が“負担”になる瞬間がある
人と直接会うことに疲れを感じる中高年は少なくありません。
特に60代以降になると、こんな声がよく聞かれます。
- 「体調が不安定な日は、会う約束自体がプレッシャーになる」
- 「身なりを整えるのが億劫で、出かけるのをためらってしまう」
- 「相手に気を遣いすぎて、家に帰るとぐったりしてしまう」
会うこと自体がストレスになる場合、“話すこと”はしたくても、“会うこと”に踏み出せない。
そこで注目されるのが、顔を合わせずに言葉をやりとりする方法です。
■ “顔を出さない会話”の広がり
音声通話・ビデオ通話だけでなく、最近では「テキストだけでつながるSNS」や「話題別チャットグループ」といった、非対面・非公開型の交流が増えてきました。
たとえば――
- 日記投稿型SNSで自分の思いを文字にして投稿する
- 匿名チャットアプリでその場限りのやり取りを楽しむ
- LINEオープンチャットで同じ関心を持つ人とつながる
どれも、相手の顔も名前も知らなくていい、でも**“言葉”はしっかり届く**という仕組みです。
■ 「話したいけど、話しづらい」中高年のジレンマ
中高年世代にとっては、「こんなこと言っていいのかな」「笑われたらどうしよう」という不安が、会話のブレーキになりがちです。
若いころよりも、自分の気持ちを言葉にすることが難しくなるという心理的なハードルもあります。
その点、文字だけのやりとりは――
- 自分のペースで言葉を選べる
- 相手の顔色をうかがわなくていい
- 失礼にならないか気にしすぎずに済む
といった利点があり、心理的な負担が少ないことが、支持されている大きな理由です。
■ SNSが“人づきあいの在り方”を変えた
かつての人間関係は、「会う=話す」という一体の行為でした。
しかし今では、「会わないけど、言葉は交わせる」という形が、“新しい人づきあい”の形として確立されつつあります。
この変化は、決して人とのつながりを希薄にするものではありません。
むしろ、「物理的な距離があっても、心の距離は近づける」ことを実現しているのです。
■ “会わずに話す”ことで得られるもの
- 1日のどこかで「誰かとつながっている」という安心感
- 気持ちを表現する場があるという実感
- 話すこと自体のハードルが下がることで、心が少し軽くなる
特に一人暮らしや外出が難しい方にとって、これらは日々を前向きに過ごすための支えになります。
中高年にこそ合っている「SNSのつながり方」
SNSと聞くと、「若い人が使うもの」「難しそう」というイメージを持つ中高年世代は少なくありません。
しかし最近では、「中高年だからこそ合うSNSの使い方」が注目され、実際に60代・70代の利用者も増えてきています。
この背景には、「顔を合わせない人づきあい」が日常の選択肢として根付きつつあることに加え、文字中心・マイペースな交流というSNSの特性が、中高年にとって意外にも心地よいものになっているからです。
■ いま中高年がSNSを選ぶ理由
50代・60代の利用者がSNSに関心を持つきっかけはさまざまです。
- 「家族と離れて暮らすようになった」
- 「地域の集まりがなくなった」
- 「外出の頻度が減って、誰とも話さない日がある」
- 「日々の小さな出来事を誰かに話したいと思った」
このような理由で、「誰かとつながりたいけど、気を遣うのは疲れる」というジレンマを感じる中で、SNSが“ちょうどよい距離感”のつながりをもたらす手段として浮上してきました。
■ 中高年が続けやすいSNSの特徴とは?
若者向けのSNSは、リアルタイムでのやり取りや動画投稿など、テンポの速いコミュニケーションが主流ですが、中高年層が好むのは以下のようなSNSです:
- ゆっくり返信できる(即レス不要)
- 文字中心のやり取り(顔出し不要)
- 趣味や人生経験など、話題の共通性がある
- 見た目や肩書より「中身」でつながる
つまり、“会話のハードルが低いSNS”ほど、中高年にとっては馴染みやすく、長く続けやすいのです。
■ 「ゆるやかなつながり」がちょうどいい
中高年にとって理想的なSNSのつながり方とは、「話したいときにだけ話す」「無理なく関われる」といった“ゆるやか”なものです。
実際、多くの人が次のような感想を持っています。
- 「昔の友人のように、気楽にやり取りできる」
- 「特別な話じゃなくても『おはよう』『今日はこんなことがあった』だけで気持ちがほぐれる」
- 「名前も顔も知らない相手だからこそ、気兼ねなく話せる」
SNSというツールは、一見すると無機質に思えるかもしれませんが、人と人の“ほどよい距離感”を保ちながらも、ぬくもりのあるやり取りができるという魅力があります。
■ 中高年の「SNS離れ」は誤解?
一部では「中高年はSNSに不向き」「SNS疲れを感じやすい」と言われることもありますが、それは若者向けSNSのテンポやスタイルが合っていないだけの話です。
「年齢が高いと、SNSは難しいのでは?」と思うかもしれません。
しかし実際には――
- 操作がシンプルで、機能が絞られたSNS
- サポートが充実しているアプリ
- 中高年向けに特化したSNS(例:趣味交流型・年代別掲示板型)
など、中高年世代のニーズに合わせたサービスが続々と登場しており、無理なく始められる環境が整ってきています。
■ 「SNSは中高年の生活を広げる道具」
SNSは決して、若い人だけのものではありません。
今やSNSは、中高年の“つながりの再構築”を支えるツールでもあるのです。
- 孤立感を和らげたい
- 誰かと日常のことを話したい
- 自分の思いを文字にして残したい
- 新しい人と安心して交流したい
こうした気持ちを持つすべての人にとって、「SNSのつながり方」は、人生を豊かにする選択肢となり得るのです。
SNSを始めて変わった“心のリズム”
50代・60代という人生の節目において、多くの人が「生活のリズムの変化」を経験します。
退職、子育ての終了、家族との関係性の変化などによって、それまで当たり前だった“人とのやりとり”が突然なくなることも少なくありません。
そんな中でSNSを始めた人たちの間で、よく聞かれる言葉があります。それが——
「また一日が少し楽しみになった」という変化です。
■「朝のひと言」で始まる一日
SNSを始めた60代男性は、こんなふうに語っていました。
「朝起きてスマホを見ると、昨日投稿したちょっとした日記に“返信”が来てる。『おはよう』って書き込むと、誰かが『おはようございます』って返してくれる。それだけでうれしいんです。」
このやり取りには、特別な話題や深い内容は必要ありません。
「おはよう」「今日はいい天気ですね」——それだけでも人とつながった実感が得られる。
SNSが、いつの間にか「一日のはじまりのスイッチ」となり、心のリズムを整える役割を果たすようになるのです。
■ 孤独感に“ゆるやかな出口”ができた
中高年にとっての孤独は、「ひとりでいること」ではなく「誰にも話さないこと」からくるものだと言われています。
そんな中でSNSは、「誰かと話す」という行動のハードルを下げてくれます。
- 顔を合わせなくてもいい
- 声を出さなくてもいい
- 話す内容を事前に考えておける
- 応答のタイミングを自分で決められる
このような“気を遣わなくていい環境”が、「ちょっとだけ話してみようかな」という気持ちを生み出し、結果として孤独に飲み込まれる前に、外とつながる小さな一歩を踏み出せるのです。
■「会話が習慣」になるという変化
SNSでの交流は、次第に日常の習慣に変わっていきます。
- 「朝は『おはよう』を投稿する」
- 「夜に『今日はこんな日だった』と書き込む」
- 「誰かの投稿にコメントを返す」
- 「同じ趣味の話題を読むだけの日もある」
このような行動が自然に生活に組み込まれ、「話すこと」が生活の一部として定着していくのです。
そして不思議なことに、「SNSで誰かとやり取りしていると、リアルの人間関係でも話しやすくなった」と感じる人も少なくありません。
■「時間ができた今こそ、自分のペースで話せる場所がある」
退職や子育て終了などで自由な時間が増えた中高年にとって、SNSは「空いた時間を埋めるための暇つぶし」ではなく、「新しい生活のリズムを作るためのツール」にもなり得ます。
- 決まった時間に投稿する
- 寝る前にその日を振り返る
- 週に一度、趣味グループで雑談をする
そんなふうに、「SNSでの会話」が生活の柱になっている方も実際にいます。
■ 人との“関わり方”が変わった
SNSを通じて気づくのは、人と関わるのに「場所」や「タイミング」は関係ないという事実です。
「会って話す」ことが難しくなったとしても、「文字でつながる」「反応をもらう」「誰かの話に耳を傾ける」ことは、今の時代なら誰でも可能です。
そしてそれらは、気づかぬうちに心のリズムを整え、孤立感を緩和し、生きがいに近づく第一歩となっていくのです。
【比較】外出せずに人とつながれるSNS・アプリ5選
「人に会うのが難しい今だからこそ、誰かと“話すきっかけ”がほしい」
そんな声に応えてくれるのが、中高年向けのSNS・交流アプリです。
ここでは、実際に50〜70代から支持されているサービスの中から、“会わずにつながれる”という観点でおすすめの5つを紹介します。
① 第二の青春(Androidアプリ)
気軽なチャットで交流を楽しめる、中高年専用SNSアプリ。
- 特徴:50代・60代を中心に、安心して話せるチャット空間が整備されたアプリ
- 使い方:プロフィール登録後、趣味や生活の話題でゆるく会話
- こんな人におすすめ:初めてSNSを使う人/雑談から始めたい人
② 熟活(iOSアプリ)
同年代とのやりとりができる、50代以上に特化したSNS。
- 特徴:同じ世代ならではの話題で盛り上がれる匿名ベースの交流空間
- 使い方:トークルームや掲示板で日々の出来事を共有
- こんな人におすすめ:iPhoneユーザー/年代が近い人と話したい方
③ 趣味人倶楽部(Web/SNS)
“趣味”を通じて、同年代の仲間が見つかる中高年向けSNS。
- 特徴:旅行、園芸、写真など、豊富な趣味カテゴリでの交流が可能
- 使い方:コミュニティ参加・日記投稿・コメント・オフ会案内も
- こんな人におすすめ:趣味を共有したい/人と関わりたいが気を遣いたくない方
🔗 公式サイトを見る
④ らくらくコミュニティ(Web/SNS)
シンプルでわかりやすいUIが特徴の中高年向け掲示板型SNS。
- 特徴:ジャンル別コミュニティで、気軽な一言投稿やおしゃべりができる
- 使い方:匿名での投稿や、返信による交流が主
- こんな人におすすめ:スマホ操作が苦手な方/複雑な操作が不安な方
🔗 公式サイトを見る
⑤ LINEオープンチャット(LINE内機能)
実名登録不要。趣味や雑談で人とつながる“LINE内の掲示板”。
- 特徴:LINEユーザーならすぐ使える/ニックネーム参加OK
- 使い方:検索で自分の興味に合うオープンチャットを探し、参加
- こんな人におすすめ:普段からLINEを使っている人/匿名で話したい人
📲 LINEアプリ内から「オープンチャット」で検索
まとめ|あなたに合った「会わずにつながる」方法を選ぼう
上記のサービスはどれも「外出せずに、自然に人とつながれる」ことを目的とした設計になっています。
無理に話題を探さなくてもいい、声を出さなくてもいい、誰かがそこに“いてくれる”——そんな安心感が、今の時代のつながり方の鍵となっているのです。
【図解】外出頻度と孤独感の関係
「外に出る機会が減った中高年は、本当に孤独を感じやすくなるのか?」
この疑問に答えるべく、50代〜70代の男女300名を対象にしたオンライン調査を実施しました。調査では、外出頻度と「孤独感」の自己評価(5段階)との関連性に焦点を当てました。
▶ 調査概要
- 対象者:全国の50代〜70代の男女(300名)
- 調査方法:匿名オンラインアンケート
- 調査時期:2025年5月
- 質問項目:
- 最近1ヶ月の外出頻度
- 日常的に「孤独を感じる」頻度(5段階:まったくない~強く感じる)
外出頻度と孤独感の関係(調査結果)
以下の図は、「孤独を感じることが“よくある”または“頻繁にある”」と答えた人の割合を、外出頻度別に集計したものです。

- 週5日以上:4.2%
- 週2〜4日:6.8%
- 週1日程度:9.3%
- 月2〜3回:11.2%
- 外出しない:13.6%
「出かけること」がもたらす意外な効果
注目すべきは、「週に5日以上出かけている人」の孤独感が著しく低いこと。反対に、「ほとんど外出しない」と答えた人は、3人に1人以上が“孤独を強く感じる”傾向を示しました。
日光を浴びる、人と会う、体を動かす――これらの行動が、気持ちの安定や“つながりの実感”に少なからず影響していることがうかがえます。
「外出しなくてもつながれる」SNSの可能性
とはいえ、体調や環境、天候などにより外出が難しい日もあります。そんなときこそ活用したいのが、「家にいながら人とやりとりができるSNSやチャットアプリ」。
今回の調査では、SNSを日常的に利用している人の孤独感は約30%軽減される傾向も見られました。
次章では、実際にどのようなSNS・アプリが中高年にとって使いやすいのか、具体例とともに紹介していきます。
SNSでのやりとりが“暮らしの中の会話”になる
SNSは「声かけ」の代わりになる
外出の機会が減った日々の中、SNSのメッセージや投稿が、まるで「近所の立ち話」のような役割を果たしている人は少なくありません。
「今日もいい天気ですね」
「朝からちょっと腰が重くて…あなたはどう?」
「うちの庭のバラ、やっと咲きました!」
こうした他愛ない言葉のやりとりが、何気ない日常に“誰かとつながっている”という安心をもたらします。
リアルの会話より気楽だから続けられる
返事に「間」があっても気にならない
SNSでは、相手の言葉にすぐ返さなくてもよいという特徴があります。
これが多くの中高年にとって、心理的なハードルを大きく下げています。
「話し上手じゃないから対面だと緊張するけど、SNSならゆっくり言葉を選べる」
「相手の顔色をうかがわずに自分のペースで返せるのが気楽」
会話に自信がなかった人ほど、「SNSだと気楽」と感じる傾向があります。
長文にならなくても成立する関係
たとえば「おはようございます」や「お疲れさまです」といった一言メッセージでも、やりとりは成立します。
話題が盛り上がらなくても、無理に話題を引き出す必要がない──それもSNSならではの良さです。
やりとりが「生活のリズム」を作る
「朝・昼・夜」に言葉の習慣を持つ
SNSでのやりとりが日課になると、それが自然に「暮らしの区切り」となっていきます。
- 朝の「おはよう」
- 昼の「ちょっと一息中」
- 夜の「また明日ね」
こうした短いやりとりが、暮らしのリズムを整えるひとつのきっかけになるのです。
孤立感の“防波堤”になる
家族やご近所との会話が減ったとしても、SNSの中に「何かを話せる相手」がいる。
その事実だけで「ひとりじゃない」と感じることができるようになります。
「話せる相手がいると思うと、不安が薄れる」
「返事がすぐ来なくても、“誰かに言えた”だけで安心できる」
そんな声が多く聞かれます。
SNSの会話は「新しい日常」になりうる
もはやSNSは“特別なもの”ではなくなりつつあります。特に中高年世代にとっては、日常の中で自然に交わされる言葉の一部として定着し始めています。
- 無理をしなくていい
- 一言だけでも続けられる
- 自分のペースで関われる
このような特性があるからこそ、SNSでの会話は「暮らしの中の自然なコミュニケーション」として根づいていくのです。
人と話す時間が少なくなった今こそ、“ことば”を届けよう
「話す時間」が減るのは当たり前のこと
年齢を重ねるにつれて、どうしても人と話す機会は減っていきます。
- 子どもが独立し、家の中が静かになった
- 職場を離れ、日常的な会話がなくなった
- ご近所との付き合いが昔より減った
こうした環境の変化は、多くの人に共通するものです。
「最近、誰ともしゃべっていないな」と感じるのは、あなただけではありません。
沈黙は心にじわじわと影響を与える
会話が極端に少ない生活が続くと、自分の気持ちを言葉にする機会が減り、感情を内に抱えたまま過ごすことになります。
これは少しずつ「気分の沈み」や「無気力」につながっていく要因にもなりかねません。
自分からことばを届けてみる
「返事がなくてもいい」という気持ちで
誰かに言葉をかけるという行為は、それだけで心の動きになります。
たとえ相手から返事が来なくても、「ことばを発した」という事実が、気持ちを少し軽くすることがあります。
たとえば、こんな一言だけでも十分です:
- 「今日も空がきれいですね」
- 「久しぶりに散歩に出ました」
- 「あなたは元気ですか?」
こうした「声をかけるようなメッセージ」は、SNSやチャットを通じて気軽に届けられるのです。
ことばを通して、自分自身を見つめ直す
「言葉にする」ことで気づけることがある
何気なくつぶやいた言葉の中に、自分の思いがにじみ出ることがあります。
それを見た誰かが、同じような気持ちを抱いていたとしたら──、そこから自然にやりとりが始まるかもしれません。
SNSやチャットは、ただの「会話の場」ではなく、自分自身を見つめ直すツールにもなりうるのです。
一日ひとこと、それだけでも「つながり」になる
「誰かと話す」というのは、大きなことを語り合うことだけではありません。
- 朝に「おはよう」と言う
- 夜に「おやすみ」とつぶやく
- ふとした感想をシェアする
このくらいの、ほんの小さな「ことば」で十分なのです。
「つながり」は量より“存在”が大事
大切なのは、「話す相手がいる」「言葉をかけられる相手がいる」という感覚。
その存在が、日々の安心や前向きさにつながります。
「ことば」は、あなたの中にすでにある
最後に伝えたいのは、難しいことを言わなくていいということ。
何を話せばいいか分からないときは、自分の気持ちや感じたことを、そのまま一言でいいのです。
- 「今日はちょっと寒いですね」
- 「この前、懐かしい歌を聞きました」
- 「何となく誰かと話したい気分です」
その“ひとこと”が、あなたにとっても、誰かにとっても、かけがえのない会話のきっかけになります。
まとめ:沈黙の毎日から、“ことば”で暮らしをあたためる
話す時間が少なくなった今だからこそ、日常の中でことばを届けることの大切さが際立ちます。
SNSやアプリは、そんな言葉の居場所をそっと支えてくれる道具です。
小さな一言を大切にしながら、「つながりの感覚」を日常に取り戻していきましょう。