登山・カメラ・昭和歌謡…趣味で会話が広がるSNSとは?
中高年が感じやすい「趣味の話ができない寂しさ」
「話したいのに、話す相手がいない」中高年の現実
「この写真、誰かに見てほしい」「あの頃の音楽の話、誰かとしたい」――
そんな気持ちを抱えながら、話し相手が見つからないまま過ごしている中高年の方は少なくありません。
特に50代・60代は、仕事や子育てがひと段落し、自分の時間を持てるようになる一方で、会話の機会は減っていきます。
家族と話しても反応が薄かったり、友人と疎遠になっていたり……
“趣味の話ができないこと”が、じわじわと孤独感を深めているのです。
たとえば――
・登山が趣味の男性が山の写真を家族に見せても「ふーん、すごいね」で終わる
・好きなバンドの話をしても「誰それ?」で話が続かない
・昔のドラマの感想を話しても「そんな昔のこと覚えてないよ」で流される
こうした経験が重なると、「話すことそのもの」が億劫になってしまいます。
趣味は“人生の一部”――だからこそ誰かと分かち合いたい
会話のない毎日は、思っている以上に心を冷やす
趣味に関する話題は、ただの雑談ではありません。
どんな思いでその趣味に向き合っているか、どんな場面で感動したか――
その背景には、その人の価値観や人生経験が詰まっています。
つまり、「趣味を話す」という行為は、自分自身を語ることに近いのです。
だからこそ、それが通じなかったときの寂しさは、思っている以上に深く心に残ります。
「話せる相手」が減っていく現実とSNSへの関心
リアルでは出会えない“同じ感覚”の人たち
地方に住んでいたり、地域に趣味仲間がいなかったりする中高年にとって、趣味を通じた新しい出会いは簡単ではありません。
コロナ禍をきっかけに地域の集まりも減り、ますます「一人で楽しむだけ」の趣味になってしまった人も多いでしょう。
そんな中、「SNSを通じて趣味の合う人とつながりたい」という声が、ここ数年で着実に増えてきました。
「オンラインの投稿にコメントがついた」
「昔の歌の話に共感してくれた人がいた」
「写真を褒められて、それが会話のきっかけになった」
こうした小さなやりとりが、日々の中に確かな温もりを取り戻してくれるのです。
「誰かと語れる」ことは、何よりの心の支え
「共通の話題を話せる相手がいる」。
このことが、どれだけ日々の気持ちを軽くしてくれるか――実際に体験した人でなければ分からない安心感があります。
中高年が感じる「趣味の話ができない寂しさ」は、個人的な悩みではなく、世代共通の課題です。
だからこそ、SNSのように“共通の関心”から自然につながれる場が、今求められているのです。
趣味があるだけで会話が生まれるSNSの仕組み
「会話のきっかけ」は共通の“好き”から始まる
SNSでの会話は、現実の雑談のように無理に話題を探す必要がありません。
投稿された内容に「同じ趣味」「似た体験」「共感できる記憶」などがあれば、それが自然と会話の糸口になります。
たとえば:
・登山写真に「そのルート、自分も登りました」
・昭和歌謡に「この曲、あの頃よく聴いていました」
・カメラ談義に「使ってる機種、同じです!」
こうしたコメントのひとつひとつが、対面よりも気軽に、共感ベースで話せる関係を生み出しています。
SNSが“共通話題”を自然に見つけてくれる理由
投稿やプロフィールに趣味が現れる仕組み
現在のSNSには、ユーザーの関心や趣味が分かるような機能が多く存在しています。
- プロフィールに「好きなこと」を書ける
- ハッシュタグで興味関心を分類できる
- 趣味カテゴリ別のグループや掲示板がある
こうした機能によって、自分と似た関心を持つ人の投稿が目に留まりやすくなっています。
検索しなくても、同じ話題の人が見つかる仕組みが整っているのです。
反応が「会話のきっかけ」になりやすい
SNS上では「いいね」や「コメント」などの反応が可視化され、
どんな内容に誰が関心を持ったのかがひと目で分かります。
特に中高年向けのSNSでは、「いいね」よりも「メッセージ」や「返信」のやり取りが多く、
“会話のキャッチボール”が続きやすい設計になっているものも増えています。
「文字だけ」だからこその安心感と、続く関係性
声や表情がなくてもつながれる利点
SNSは基本的にテキストベース。つまり、「声を出す」「表情を気にする」といった緊張感がありません。
これが特に、口下手な人や初対面が苦手な中高年には安心材料になります。
「電話やビデオ通話は少し抵抗があるけど、文字なら気軽」
「丁寧に言葉を選びながら、自分のペースで会話できる」
こうした安心感があるからこそ、会話が一度きりで終わらず、続いていくのです。
「話が合う人」だから自然と関係が深まる
共通の趣味があるというだけで、「どんな人か分からない」不安が薄れ、
一歩踏み出すハードルが下がります。
中には、「初めてコメントしたのに、すぐに意気投合できた」という声もあり、
話題から人柄を感じ取れるようなSNS設計が、中高年ユーザーにはとても向いているのです。
「興味が同じ」というだけで、会話はもっとやさしくなる
現実の人付き合いでは、性格や年齢、立場の違いが障壁になることもあります。
でもSNSでは、「好きなこと」でつながるため、関係構築がスムーズです。
しかも、趣味という共通のフィルターがあることで、
会話は自然体で、押しつけがましくならない心地よさがあるのです。
実例① 登山の記録に反応が集まり、励みになった60代男性
「登山が好き。でも一緒に登る仲間がいない」
東京都在住の60代男性・Kさん(仮名)は、30代からの登山歴を持つベテラン登山者です。
定年を迎えてからも月に1〜2回は登山を楽しんでいますが、最近は仲間と登る機会が減ってきたと感じていました。
「職場の仲間と行っていた頃は楽しかったけれど、今は一人で登ることが増えました。
山はやっぱり“誰かと共有”したくなるんです」
そんなKさんが始めたのが、SNSでの登山記録の投稿でした。
SNSに登山写真を投稿し始めたきっかけ
Kさんは最初、スマホの扱いにも少し不安がありました。
しかし、写真投稿が中心のSNSで、山の景色や花の写真を載せてみたところ…
「いいね」や「コメント」が想像以上に寄せられたのです。
「まさか、こんなに反応がもらえるとは思ってなかったですね。
“どこの山ですか?”“いい眺めですね”というコメントが励みになりました」
反応をくれたのは、同年代の登山好きだけでなく、
「登ってみたいと思っていた山です」
「写真で季節の変化がわかって素敵ですね」
など、軽い気持ちで見ている人たちからの声も含まれていました。
“登山仲間”とは違う、SNSでのつながり方
登山SNSでは、「一緒に登る」ことよりも「登った後に共有する」ことが中心です。
Kさんが投稿を続けるなかで、何度もコメントをくれるユーザーが現れました。
- 毎回感想を伝えてくれる人
- 同じ山に登ったことがある人
- 逆に「登ってみたいです」と返信してくれる人
これらの反応が、**“自分の登山体験が誰かの役に立っている”**という手応えにつながっていったのです。
自分の活動が“誰かの楽しみ”になる喜び
Kさんはある投稿で、初めて「自分が登ったルートマップ」を載せてみました。
すると、具体的なルートに興味を示す人が多数現れ、そこから登山談義が深まっていくようになりました。
「SNSでは『自慢』になるかもと思って躊躇してたんです。
でも、皆さんとても好意的で、“自分も挑戦してみたい”と言ってもらえて、すごく嬉しかった」
登山は体力的なハードルがある趣味ですが、SNSなら**「見る」「話す」だけでも楽しめる仲間ができる**のが大きな魅力です。
登山SNSが、生活にリズムと充実感を与えてくれた
Kさんは今、登山に出かけた後は必ずその記録をSNSに投稿し、
反応を見ながら次の計画を立てるようにしています。
「以前より、山を登るのが楽しみになった気がします。
誰かと共有できるだけで、こんなに気持ちが違うんですね」
SNSでつながる人たちとは、直接会ったことはありません。
でも、趣味という共通の話題があるだけで、無理なく、自然に続く交流が生まれているのです。
“会わなくても話せる”新しい登山仲間のかたち
Kさんのように、同じ趣味を持つ者同士がSNSを通じてゆるやかにつながるケースは増えています。
リアルでは出会えなかったかもしれない相手と、
「登山の楽しさ」「景色の美しさ」を共有する——
それが中高年にとっての、新しい“趣味仲間”の形かもしれません。
実例② 昭和歌謡の投稿から思い出話が広がった女性
「同年代と話す機会が少なくなっていた」
神奈川県在住の50代後半の女性・Sさん(仮名)は、かつて音楽教師として働いていた経歴を持ち、特に昭和の歌謡曲を好んで聴いてきました。
しかし、仕事を退職し、子どもたちも独立した今、「音楽の話をする相手が身近にいない」と感じるようになったそうです。
「家族と話すのは生活のことが中心。昔の歌の話って、共感してくれる人がいないと会話にならないんですよね」
そんなSさんが始めたのが、昭和歌謡の一曲について思い出やエピソードを添えて投稿するSNSでした。
初めての投稿に、思いがけない反響が
最初に投稿したのは、1970年代に流行したある女性歌手のヒット曲。
- 「この曲、学生時代によく聴いていました」
- 「懐かしい!親が好きでよく家で流れてました」
- 「失恋したときに、これを聴いて涙が止まらなかったのを思い出しました」
そんなコメントが次々に届き、**「自分だけじゃなかった」**という感覚がSさんの中に芽生えました。
「共感してくれる人がいて、こんなに話が広がるなんて思わなかったです」
昭和歌謡というジャンルが、**“世代を越えて語り合える共通の話題”**になることを実感した瞬間でした。
懐かしさだけじゃない、“話が続く”理由
Sさんはその後、定期的に
- 昭和歌謡の中でもマイナーな名曲
- デュエットソング
- カバーされている最近のバージョン
などを投稿していきました。
そこには「この曲を親と一緒に歌った思い出」
「レコードジャケットが部屋に飾ってあった」
「当時のテレビ番組とセットで覚えている」
といった、**“音楽以上の物語”**がユーザー同士のやりとりに浮かび上がってきます。
「音楽って、ただ聴くだけじゃなくて、その人の人生に結びついてるんですね。
コメントを読むたびに、私自身も当時のことをどんどん思い出してきました」
交流は「深くなくていい」が心地よい
Sさんにとって、そのやりとりは決して重い付き合いではありません。
- 「今日も懐かしい投稿ありがとうございます」
- 「この歌、若い頃は意味がわからなかったけど今しみます」
そんな一言二言のやりとりが、毎日の“彩り”になっているといいます。
「何気ない共通の思い出があるだけで、安心してコメントできるんです。
誰かと会話するのに、頑張らなくていいのがいいですね」
“気づけばつながっていた”という関係性
Sさんが特に印象に残っているのは、投稿の中で偶然同じライブ会場にいたというユーザーがいたこと。
- 「あのとき、武道館に行ってました!」
- 「私もその場にいましたよ!まさか同じ空間にいたとは」
そこから、その時代の空気や服装、チケットの取り方まで話題が広がり、「ここまで盛り上がるとは…」とSさん自身も驚いたそうです。
SNSは“懐かしい思い出を今の会話に変える場”
昭和歌謡を通して、Sさんは日常に再び“話題”が戻ってきたことを実感しています。
「音楽でつながれるって、心がすごく軽くなるんですよ。
話さなきゃって思う必要がなくて、ただ『思い出したから伝えたい』という感覚でつながれる」
昭和という“共通の時代背景”を持つ中高年にとって、
SNSは記憶を再共有し、新たな会話のきっかけを生む場所になっているのです。
実例③ カメラ写真の共有が“静かな交流”に
話し下手でも、カメラが“伝えてくれる”こと
都内在住の60代男性・Tさん(仮名)は、定年退職後の趣味として一眼レフカメラを購入。
日課として、近所の公園や神社などを散歩しながら写真を撮ることが生活の一部になっていました。
「あまりおしゃべりが得意じゃないんです。でも写真なら、言葉にせずに“自分の見たもの”を誰かと共有できる気がするんですよね」
Tさんは撮影した写真を、ときどきSNSに投稿するようになりました。
テーマは「季節の移り変わり」や「街角の猫」「古い町並み」など、日々の風景の中にある“静かな一瞬”が多くを占めます。
「いいね」や短いコメントが心の支えに
SNSでの反応は、決して派手なものではありません。
毎回数件の「いいね」や、ひとこと添えられるコメント。
- 「空の色、きれいですね」
- 「猫ちゃん、いい表情してます」
- 「懐かしい町並みですね。どこですか?」
それでも、Tさんにとっては**“ちゃんと誰かが見てくれている”**という実感が、大きな安心感になっていました。
「長いメッセージじゃなくていいんです。ただ、誰かと景色を共有できたって思えることがうれしいんですよ」
共通の「視点」が交流を深める
ある日、Tさんが投稿した“雨上がりのベンチ”の写真に、別のユーザーから
「この雰囲気、昔の映画みたいですね」
というコメントが付きました。
その一言から始まり、徐々に以下のようなやりとりが続くようになりました。
- 昭和の映画に登場する街並み
- 古い建物の良さ
- 雨の日にしか撮れない被写体の話題
それは、“写真好き”という共通点を越えて、「何に心を留めるか」という感性の共有が広がった瞬間でした。
「誰かとつながっていたい」けれど、頑張らなくていい
Tさんはこう語ります。
「昔は“話す”ことがつながりの条件だったけど、今は“伝わる”ことの方が大事な気がします。
写真は、見る人のペースで受け取ってもらえるから、すごく自然でありがたい」
SNS上では、言葉を交わさなくても「いつも見てくれている」「またこの人の投稿だ」と感じられるつながりが育っています。
まさに“静かな交流”と呼ぶにふさわしい関係性です。
写真が「言葉を交わす前の、入り口」になる
実際に、Tさんがある写真投稿に「この風景はどこですか?」と聞かれ、
そのやりとりがきっかけで地域のことを話すようになった事例もあります。
「気づけば、投稿をきっかけに『会話』が始まっていたんです。無理に話題を作る必要もなかった」
このように、“先に写真があって、その後に会話が生まれる”という流れが、話し下手な人にも向いているのです。
“沈黙を気にしなくていい交流”がSNSにある
- 話すのが苦手でも「写真」が言葉の代わりになる
- 「いいね」や短文でも十分に伝わる
- 同じものを美しいと思える感性が、つながりを育てる
Tさんのように、「会話が得意ではない」と感じている中高年にとって、
写真投稿型SNSは、心地よく人と関われる場所として機能しています。
【比較】趣味別に会話が生まれやすいSNS・アプリ5選
「自分の好きな話題で、自然に会話が始まる」
それが、趣味ベースのSNSやチャットサービスの魅力です。
ここでは中高年ユーザーに特に人気の高い5つのサービスを、**“どんな趣味に向いているか”“会話の始まりやすさ”**を中心に比較します。
1. 第二の青春(Android対応)
気軽な会話 × 趣味話題に強いシンプルSNS
- 対象ジャンル:園芸、音楽、料理、日常のちょっとした出来事など
- おすすめポイント:年代が近いユーザーばかりなので、昔のテレビや音楽といった“共通の記憶”で話が弾みやすい
- 会話の始まり方:自己紹介を見てからのチャットで、「いいね」ではなく“文字のやりとり”でつながれる
- おすすめ層:Androidユーザーで、自然な交流や趣味を気軽に話したい方
✅ 特に「投稿するのは苦手だけど、誰かの話に加わりたい」という方にも向いています。
2. 熟活(iOS対応)
写真や文章で趣味を深く語れる中高年SNS
- 対象ジャンル:旅行、写真、ペット、グルメなど
- おすすめポイント:丁寧な文章で語る投稿が多く、「趣味をじっくり語りたい派」に最適
- 会話の始まり方:掲示板投稿を見て共感した人からチャットでスタート
- おすすめ層:iPhoneユーザーで、**“落ち着いたSNS交流”**を望む方
✅ 「昔から写真が趣味」「日記風に記録したい」という方に支持されています。
3. 趣味人倶楽部(Web/スマホ)
シニア世代に長く愛される“趣味ごとに分かれた”交流SNS
- 対象ジャンル:登山・釣り・囲碁将棋・クラシック音楽・読書・カラオケなど超多ジャンル
- おすすめポイント:ジャンル別にコミュニティが細かく分かれており、まさに「趣味友」が見つかりやすい設計
- 会話の始まり方:掲示板や日記機能を使ったやり取りが中心。“見る専門”でも楽しめる
- おすすめ層:パソコン操作に慣れている中高年や、特定の趣味を深掘りしたい人
✅ リアルイベントも多く、ネットと現実の両方で交流したい方にも。
4. LINEオープンチャット(趣味系グループ)
匿名OKで入りやすい“話題別グループ型”の場
- 対象ジャンル:昭和歌謡、鉄道、ペット、ラジオ、料理など、趣味別のチャットルームが豊富
- おすすめポイント:匿名・ニックネームでの参加が可能で気軽。すぐ会話に入れる
- 会話の始まり方:チャット形式なので、“今この瞬間”の会話が活発
- おすすめ層:LINEをすでに使っていて、試しにちょっと会話してみたい方
✅ 「SNSは苦手だけどLINEならできる」という方にぴったり。
5. らくらくコミュニティ(Web/スマホ)
“やさしい設計”で初心者でも安心の交流掲示板型SNS
- 対象ジャンル:日常の一コマ・料理・趣味の小物・日記系投稿など
- おすすめポイント:操作がとても簡単で、ネット初心者にも親切
- 会話の始まり方:誰かの投稿にコメントを返すスタイル。会話がゆっくりと続いていく設計
- おすすめ層:「スマホやSNSにまだ不慣れ」という中高年層
✅ 「文章は短めでOK」「反応を気にせず気軽に投稿したい」方に。
【比較表】各サービスの特徴まとめ
サービス名 | 対応端末 | 向いている趣味例 | 会話のタイプ | 特徴 |
---|---|---|---|---|
第二の青春 | Android | 音楽、園芸、日常の話題 | チャット交流型 | 近い年代同士で話が合いやすい |
熟活 | iOS | 写真、旅行、音楽など | 掲示板・チャット交流型 | 落ち着いた会話が楽しめる |
趣味人倶楽部 | Web/スマホ | 登山、読書、囲碁、音楽など | コミュニティ・日記型 | 趣味ジャンルが圧倒的に豊富 |
LINEオープンチャット | LINE内 | 昭和歌謡、鉄道、料理など | チャット型 | 匿名で気軽に入りやすい |
らくらくコミュニティ | Web/スマホ | 日常の一コマ、小物、料理 | コミュニティ型 | 操作が簡単で初心者向け |
自分に合った「趣味話」ができる場を探してみよう
SNSやチャットサービスは、「話すのが苦手」な人でも“趣味”をきっかけに自然と会話が生まれるツールです。
年代・使いやすさ・趣味の深さに応じて、自分に合った場所を見つければ、無理なく会話が続くようになります。
趣味を通じたSNSで“会話が続いた人”の共通点
中高年がSNSを通じて趣味の話題でつながり、「会話が続く」関係になっている人には、いくつかの共通点があります。今回は実際のユーザーの声や行動傾向をもとに、会話が継続した人に共通する特徴を解説します。
共通点1|自己開示を「趣味ベース」で行っている
多くの人が会話を続けられた理由として挙げているのが、趣味を通じて自然に自分を表現したことです。
たとえば――
- 「今日は庭のアジサイが咲きました」と写真付きで投稿
- 「この曲を聴くと、高校の文化祭を思い出します」などエピソードを添える
- 「最近買ったカメラ、まだ使い方がよくわかりません」といった初心者目線の発信
➡ 無理のない範囲で自分のことを話すことで、コメントや共感が返ってきやすくなります。
共通点2|「いいね」よりもコメントでやり取りしている
SNSにおいて“いいね”は気軽なリアクションですが、コメントこそが会話の入り口です。
会話が続いた人の多くは、
- 「とてもきれいですね。何の品種ですか?」
- 「懐かしい曲ですね、あの頃よく聴いてました」
- 「うちの庭にも似た花が咲いています」
など、相手の投稿に一言以上のコメントを積極的に書いていました。
➡ コメントに返信が来ることで、会話が自然と続いていきます。
共通点3|“会話を急がない”ペースで交流している
特に中高年層では、「すぐ返信しないといけない」と感じてしまうと負担になります。
実際に会話が長続きしている人たちは、“返信の間隔がゆるやか”なペースで続けています。
たとえば:
- 翌日に返す
- 1~2日空けてまた話題に戻る
- 朝の時間だけやりとりする習慣
➡ 自分のペースで続けることが、結果として無理なく長続きするコツです。
共通点4|「情報の押しつけ」ではなく「共感」や「質問」を添えている
やりとりがうまくいっている人ほど、相手への配慮が感じられます。
- 「私も似たことあります」と共感
- 「これはどこで撮った写真ですか?」と質問
- 「この曲いいですね、初めて知りました」などの受け入れ
一方で、「〇〇の方がいいですよ」「それより△△が定番です」といった“正解”の押しつけは、会話を止めてしまう原因になることも。
➡ 自分の意見+相手を尊重する姿勢が、継続的なやりとりの鍵です。
「会話が続いた人の特徴まとめ」

好きなことを語れる場所が“日々の安心”になる
「ちょっと話す」だけで、心の緊張がほどける
忙しない毎日の中で、ふと感じる孤独や不安。そんなとき、誰かと会うわけでもなく、電話をかけるわけでもなく、SNS上で「好きなことをちょっと語るだけ」で心が和らぐことがあります。
例えば、登山の写真を投稿したら「ここ、私も行ったことあります」というコメントが届く。昭和歌謡の話題に「懐かしい!」と反応してくれる人がいる。それだけで、自分の中の“好き”が共有され、理解されていると感じられるのです。
中高年だからこそ、“共通の好き”が会話の種になる
若い世代と違い、日常に会話のチャンスが少なくなりがちな中高年層。だからこそ、自分のペースで、無理のない形で「好きなこと」について語れるSNSの価値は大きくなっています。
特に以下のような趣味は、中高年にとって“会話が生まれやすい種”になります。
- 登山・ハイキング:地域の景色や健康習慣にもつながる
- カメラ・写真:日常を切り取る楽しさが共有できる
- 昭和の音楽・ドラマ:世代共通の懐かしさが安心感に
- ガーデニング:季節の変化を楽しむ話題が自然と出る
- 旅の思い出:過去の経験を語ることで「聴いてくれる人」との交流が生まれる
「言葉にしなくても伝わる」やさしいやり取りがある
会話といっても、時には“いいね”だけでも十分。中高年向けのSNSでは、「無理に返事をしなきゃ」というプレッシャーが少ないものが多く、リアクションやコメントもあくまで自由。
こうした“やさしい距離感”が、長く続くつながりを育てていきます。
結論:趣味を語る場は“心の居場所”になる
SNSは決して「友達を作る場所」ではなくても構いません。自分の趣味や思い出を語り、それに誰かが反応してくれる──それだけで、自分がここにいてもいいと思える「心の居場所」になります。
「話すことが目的」ではなく、「好きなことを通じて自然につながる」──そんなやり取りこそが、これからの中高年のつながりのカタチかもしれません。