アプリのインストールから使い方まで|60代からのSNSデビュー完全マニュアル
60代からのSNSデビューが増えています
近年、スマートフォンの普及とともに、60代・70代の中高年層にもSNSを利用する人が急増しています。特にコロナ禍以降、「人と会えない時間」に代わる新たな交流手段としてSNSを始める人が多くなりました。
実際に、総務省の「通信利用動向調査(令和5年版)」によれば、**60代のSNS利用率は60%前後〜70%台にのぼり、70代でも3割以上**が何らかのSNSを利用していると報告されています。
この数字は「高齢者はネットを使わない」というこれまでのイメージを覆すもので、今やSNSは中高年層にとっても“当たり前の存在”になりつつあります。
中高年のSNS利用率は年々上昇中
ここ数年、60代・70代のSNS利用率は年を追うごとに伸びています。
総務省の同調査によると、60代では約6割がSNSを使っており、10年前には2割台だった利用率が大きく上昇しました。70代でも3人に1人がSNSを活用しており、「シニア=ネットに疎い」という先入観はもはや過去のものです。
この背景には、スマホの操作が簡単になってきたことや、SNSそのものが“難しくない”“見るだけでもいい”という使いやすさを持ち始めたことも大きく関係しています。
話し相手がほしい、情報が欲しいというニーズ
SNSを始めたきっかけとして多く挙がるのが、「話し相手がいない」「誰かとつながりたい」という思いです。
とくに定年後や子育て後の生活において、毎日の会話が減り、孤独感を感じる中高年は少なくありません。そんなとき、誰かの日常を「見る」だけでもホッとしたり、「コメントをもらえた」だけで気持ちが軽くなることがあります。
また、ニュースや趣味の情報を得る手段としてSNSを利用する人も多く、「テレビや新聞だけでは得られないリアルな話題に触れられる」のも魅力の一つです。
「難しそう」「怖い」という不安はどう乗り越えられる?
SNSに興味はあるものの、「操作が難しそう」「知らない人と話すのは怖い」と感じて、一歩が踏み出せないという声も少なくありません。
しかし、最近のアプリは初心者向けに設計されており、「見るだけ」「タップするだけ」「匿名で使える」など、安心して使い始められる工夫が随所にあります。
また、実際に使ってみた人の中には「思ったより簡単だった」「誰かとやりとりできるだけで前向きな気持ちになれた」という声も多く、**“やってみたら案外大丈夫だった”**という体験が不安を和らげてくれます。
まずはスマホにアプリを入れるところから
SNSやチャットアプリを使い始めるには、まずスマートフォンに「アプリ」をインストールする必要があります。
「アプリってどうやって入れるの?」「変な操作をしたらどうしよう…」と不安に感じる方も多いですが、実は操作はとてもシンプル。
この記事では、60代・70代の方にもわかりやすいように、インストールの手順をひとつひとつ丁寧にご紹介します。
まずは「アプリを入れる」ことが最初の一歩。失敗してもやり直せるので、安心してチャレンジしてみましょう。
Google Play・App Storeって何?
スマートフォンには、「アプリを探してダウンロードするための場所(お店)」があります。
それが以下の2つです:
- Androidスマホの場合:Google Play(グーグルプレイ)
- iPhoneの場合:App Store(アップストア)
どちらも「アプリ専門の本屋さん」のような存在で、ここからSNSやチャットアプリなどを無料で探してインストールできます。
買い物と違って、お金がかからない無料アプリもたくさんありますので、まずは気になるものを見つけてみるところから始めましょう。
アプリを探してインストールする方法
アプリを入れる流れは、とても簡単です。基本は次の3ステップ。
- スマホのホーム画面から「Google Play」または「App Store」を開く
アイコンの名前を確認して、タップします。 - 検索ボックスにアプリ名を入力する
例:「チャット」「シニアSNS」など、興味のあるキーワードでもOK。 - 表示されたアプリをタップして「インストール」ボタンを押す
ボタンをタップすると、自動的にアプリのダウンロードとインストールが始まります。
インストール後、最初にしておく設定とは
アプリをインストールしたら、次に必要なのは**「初期設定」**です。といっても、これも数分で終わる簡単な内容です。
- 通知をONにするかOFFにするか(あとから変更可)
通知とは、「誰かからメッセージが届いた」ときに教えてくれる機能です。 - 位置情報の使用を「許可する/しない」
交流アプリでは不要なことが多いので、「許可しない」でも大丈夫です。 - プロフィール登録(ニックネーム・年代など)
本名を使う必要はなく、匿名で設定できるアプリも多いので安心です。
これらを終えると、アプリの画面が表示され、SNSやチャットを楽しむ準備が整います。
次のステップは「見てみる」「読んでみる」ことから。使い方のハードルが高いと感じていた方でも、「最初の操作が簡単だった」と感じる人が多いのも、このタイミングです。
SNSアプリに登録して使い始めるステップ
アプリをインストールしたあとは、いよいよ**「登録」と「プロフィールの入力」**です。
このステップで不安になる方も多いのですが、いずれも数分で終わる簡単な作業ばかりです。
「本名を出さなくていいの?」「何を入力すればいいの?」という疑問にお答えしながら、安心して始められる流れをご紹介します。
登録が終われば、「まずは見るだけ」「誰かの投稿に軽く返すだけ」でも十分楽しめます。
登録に必要なものは?(電話番号・ニックネームなど)
SNSアプリに登録するときに必要なものは、次の2つが基本です:
- 電話番号(SMS認証のため)
多くのアプリでは「本人確認」のため、最初に電話番号を入力します。
すぐに4桁〜6桁程度の確認コードが届くので、それを入力すればOK。
※迷惑電話などに使われることはなく、番号は公開されません。 - ニックネーム(本名でなくてOK)
自分の呼び名を自由に設定できます。「たかさん」「うさぎ好き」など、あなただけの名前で大丈夫です。
電話番号によるSMS認証やメールアドレスを使わずに登録できるアプリも増えており、スマホに慣れていない方でもスムーズに進められます。
プロフィールの基本項目と注意点
登録後は、プロフィールの入力画面に進みます。ここで入力する項目は以下のようなものです:
- ニックネーム(変更可能な場合が多い)
- 年代(50代・60代など)
- 趣味や好きなこと
- 一言メッセージ(任意)
ここでのポイントは、**「個人情報を詳しく書く必要はない」**ということ。
たとえば:
❌ ×本名や住所を入力する必要はありません
⭕ ◯「旅行好きの60代です」など、ふんわりした内容で十分
アプリによってはプロフィールを非公開にしたり、最低限だけ入力して後で編集できるものもあります。
不安がある方は、まず「最低限の情報だけ入力」して始めましょう。
「見るだけ」「返すだけ」からでも始められる
SNSに登録したからといって、すぐに投稿しなければいけないわけではありません。
最初の一歩として、次のような使い方から始めてみましょう:
- 「タイムライン」を見るだけ:他の人の投稿を読むだけで雰囲気がつかめます
- 「いいね」やスタンプを返すだけ:共感したときに軽くリアクションを返すだけでOK
- 「同じ年代の人の投稿を見る」だけでも気持ちが軽くなるという声も
誰かに無理に話しかける必要はありませんし、聞き役・見る役でも「つながり」を感じられるのがSNSの良さです。
60代にやさしいSNSアプリ5選とその特徴
SNSに興味はあっても、「どのアプリが自分に合っているのかわからない」という声は少なくありません。
特に60代の方にとっては、「恋愛目的ではない」「顔出しが不要」「無理なく続けられる」といった安心感が、アプリ選びの大切な基準になります。
ここでは、中高年に人気のアプリを5つ厳選し、それぞれの特徴と「なぜ使いやすいのか」を紹介します。
「中高年が多くて安心」「恋愛前提でない」SNSが人気
SNSというと「若い人が多い」「恋愛目的が前提」などのイメージがあり、気後れしてしまう方もいます。
しかし最近は、中高年層が多く集まる“恋愛抜き”のSNSが増えています。
こうしたアプリでは、次のようなやりとりが中心です:
- 「今日の天気、暑いですね」といった気軽な雑談
- 「趣味の話題を投稿・共有するだけ」のやりとり
- 「顔出し不要」「年齢の公開も任意」で参加できる
“気楽に会話できる場所”として利用される中高年が多数。
「恋愛や出会いを求めない」「誰かと安心して話したい」という方にぴったりです。
操作がシンプルで続けやすいアプリとは?
使いやすさという点では、以下のような設計が好まれています:
- タップだけで操作が完了する
例:ボタンが大きく、1画面1操作で迷わない - 通知機能がわかりやすい
新着メッセージが来たときに、アイコンでお知らせされる - 文字サイズが大きく読みやすい
高齢者の視力を配慮した画面設計になっている
中高年向けのアプリでは初心者を想定したデザインのものが多く、「初めてでも迷わなかった」「毎日続けられている」といった声が多数寄せられています。
中高年向けアプリ比較表(機能・操作性・安心感)
以下に、60代からのSNSデビューに適した**中高年向けアプリの比較表**を紹介します:
アプリ名 | 主な特徴 | 操作のしやすさ | 年齢層の多さ | 安心感ポイント |
---|---|---|---|---|
第二の青春 | チャットメイン・日記なし・恋愛色なし | ◎ 簡単 | ◎ 50~70代中心 | 顔出し不要・いいね機能なし |
熟活 | 掲示板あり・恋愛前提でない | ◎ わかりやすい | ◎ 50~60代多め | GPS非公開設定・やさしいUI |
趣味人倶楽部 | 趣味グループ・イベントが豊富 | ◯ やや複雑 | ◎ 幅広い年代 | 実名不要・趣味重視で会話が自然 |
らくらくコミュニティ | シニア向け設計・NTT系列の安心感 | ◯ 操作やや多め | ◯ 60代以上中心 | サポート体制あり・掲示板が充実 |
LINEオープンチャット | 特定のテーマで雑談ができる | ◯ LINEと同様 | ◯ 混在 | 匿名性あり・登録不要のグループ会話 |
投稿やチャットの始め方もやさしく解説
SNSやチャットアプリに慣れていない方にとって、「何を書けばいいの?」「どう話しかければいいの?」という戸惑いはつきものです。
でも実は、決まったルールや型はありません。まずは、「ちょっとしたつぶやき」や「相づち」から始めるだけで十分。
ここでは、60代からでも無理なく始められる“やさしいスタートのコツ”をご紹介します。
どんな内容を投稿すればいい?(日記・質問・趣味)
初めての投稿におすすめなのは、「誰かに見てもらえたら嬉しいこと」を書くというシンプルなスタイルです。たとえば:
- 今日の天気や気分:「今日は久しぶりに散歩しました。気持ちよかったです」
- 質問:「花の名前が分かる方、教えてください」
- 趣味に関する話題:「昭和歌謡が好きな方、いませんか?」
これらは**“話題のきっかけ”になる投稿**で、見る人にとっても気軽に返しやすくなります。
写真やスタンプを添えると、文字が少なくても雰囲気が伝わります。
「コメント」「いいね」「チャット」ってどう使う?
SNSでは、他の人の投稿に対して次のような方法でリアクションができます:
- コメント: 文章で返信。「素敵なお写真ですね」「私も行ったことあります」など。
- いいね: ボタンを押すだけ。相手に“見ましたよ”という気持ちが伝わる。
- チャット: 1対1や少人数での会話機能。「こんにちは」「この前の投稿、よかったですね」など、短いひとことから始めるのがポイント。
どれも難しい操作はありません。気になる投稿を見つけたとき、「いいね」だけでも十分なつながりになります。
さらに会話がしたいと思ったら、コメントやチャットに進むという流れで大丈夫です。
無理せず自然にやり取りが始まるポイント
最初から頑張って話しかけようとする必要はありません。
60代の方の中には、「見るだけ」から始めて、徐々にコメントやチャットを楽しむようになったという方が多くいます。
無理をしないためのポイントは:
- 誰かの投稿に共感したら「いいね」だけでもOK
- コメントは「ありがとうございます」「いいですね」など、ひとことから
- 相手に返事を強要しない。自分のペースで続ける
SNSは“つながりを楽しむ場所”です。正解や決まった方法はありません。
少しずつ慣れてくれば、自然と「また話したい」「次も投稿してみよう」という気持ちがわいてきます。
実際にSNSを使い始めた60代の声
「本当に自分にも使えるの?」「続けられるか心配…」という気持ちは、多くの60代がSNSを始める前に感じているものです。
でも、実際に始めてみた方々の声には、“予想以上に心が軽くなった”“思っていたより簡単だった”という感想が数多く寄せられています。
ここでは、そんな実際に使い始めた60代の方々の声をご紹介します。
「不安だったけど、今は日課になった」
「最初は“自分なんかに使えるの?”と思っていました。説明書を読んでも難しそうで…。でも、思い切って“見るだけ”から始めてみたんです。気づけば毎日開くのが日課になっていました。」
(東京都・60代女性)
SNSを始めるときに多くの方が感じるのは、「スマホに慣れていない私でも大丈夫?」という不安です。
ですがこの方のように、“まず見るだけ”の気軽な始め方を選んだことで、習慣として無理なく続けられるようになったケースが多くあります。
「同年代の人と話せて元気が出た」
「若い人ばかりだったら嫌だなと思っていましたが、年齢層が近い人が多くて驚きました。“昔の歌”の話や“子育てが終わった後の過ごし方”など、共通の話題が多くて話しやすいんです。」
(大阪府・60代男性)
SNSの良さは、「自分と似た背景を持つ人と出会えること」。
特に中高年層向けのSNSでは、同じ年代・同じ悩み・同じ趣味を持った人たちが多く集まっています。
誰かと話すことで、自然と元気が出たという声もよく聞かれます。
「家にいながら誰かと話せるって、思った以上に嬉しい」
「足腰が弱くなってからは、近所に行くのも億劫で。人と話す機会がめっきり減っていたんです。でもSNSで“おはよう”と誰かが言ってくれるだけで、なんだか気持ちが違うんですよね。」
(福岡県・60代女性)
外出が難しい方にとって、「家にいながら誰かと話せる」というのは大きな価値です。
SNSやチャットアプリを使えば、日常のちょっとしたひとことを共有できる場が自然と生まれます。
そうしたやりとりが、“心の栄養”になることもあるのです。
まとめ|SNSは“つながりの第一歩”として最適なツール
年齢やスマホ経験に関係なく、今や誰もが「誰かと話せる場所」を持てる時代になりました。
とくに60代以上の方にとって、SNSは「無理なく」「気軽に」「安心して」人とつながれる新しい選択肢です。
SNSと聞くと、若者向け・難しそう・トラブルが心配…というイメージを持たれる方もいるかもしれません。
しかし実際には、中高年向けに作られたシンプルなSNSやチャットアプリが多く登場しており、「見るだけ」「返すだけ」といった、気負わないスタートも可能です。
では、今一度そのポイントを振り返りましょう。
最初は「見るだけ」でもOK。慣れることが大切
SNSを使いこなすために、最初から積極的に発信する必要はまったくありません。
まずは「どんな人がいるのかな」「どんな話題があるのかな」と眺めるだけの利用からで十分です。
見ているうちに、「この話題、ちょっと興味がある」「これ、自分も言いたいかも」と感じる瞬間が自然に訪れるはず。
大切なのは、焦らず、自分のペースで“慣れていく”ことです。
会わなくても“誰かとつながる”時代へ
これまでのように「会って話す」ことがつながりのすべてではなくなった現代。
SNSでは、顔を出さなくても、文字だけでも、人と関わることができます。
・会話は苦手だけど、読み書きなら大丈夫
・今は外出が難しいけど、誰かと話したい
・自分の気持ちを少しでも分かってくれる人がほしい
――そんな思いを持った方にとって、SNSは自宅にいながら「誰かとつながる」ことができる貴重な場所となります。
「年齢的に今さら…」と感じる方もいるかもしれませんが、SNSは誰にとっても“今この瞬間から始められる”ツールです。
つながることで、毎日に少しのぬくもりが加わる。
その第一歩として、SNSをぜひ“見るだけ”から始めてみてください。
そこから新しい交流が、きっと少しずつ広がっていきます。