50代60代向け SNS迷惑アカウントの見分け方|なりすまし・勧誘・お金の話のサインと距離の取り方
SNSやチャットを使っていると、見知らぬ相手から急にメッセージが届くことがあります。
「この人は大丈夫なのか」「お金の話をされて怖い」と感じながらも、どう判断したらよいか分からないまま画面を閉じてしまう方も多いかもしれません。
特に50代・60代の世代は、老後のことやお金の不安につけ込まれやすく、なりすましや投資・副業勧誘のターゲットになりやすいと言われています。
ただ、いくつかのサインを知っておくだけで、迷惑アカウントとは無理に関わらずに距離を取ることができます。
この記事では、難しい専門用語はできるだけ使わず、「怪しいかどうかをどう見分けるか」「関わらないために何を押さえればよいか」を、落ち着いて確認できるように整理していきます。
この記事で分かること
- SNSやチャットにいる迷惑アカウントの主なパターンと、中高年が狙われやすい理由
- なりすまし・勧誘・お金の話に共通する「怪しいサイン」の見つけ方
- 怪しいと感じた相手と距離を取るための、ブロック・ミュート・通報などの基本操作の考え方
- お金や投資、副業の話が出てきたときに「ここで止める」と決める判断基準
- 一人で抱え込まず、家族や相談窓口に頼るための声のかけ方と考え方
全部を一度に覚える必要はありません。
読みながら、自分でも取り入れやすそうな対策を一つだけ決めるつもりで進めていきましょう。
迷惑アカウントとは何か?中高年が狙われやすい理由
SNSやチャットアプリを使っていると、見知らぬ相手から突然メッセージが届くことがあります。
その中には普通の利用者もいますが、中には「迷惑アカウント」と呼ばれるものも混ざっています。
ここでは、まず迷惑アカウントの種類を整理しつつ、なぜ特に50代・60代が狙われやすいと言われるのかを落ち着いて確認していきます。
不安を強くするためではなく、「こういう特徴があれば距離を取ってよい」という目安を持つための章と考えてください。
SNSやチャットにいる迷惑アカウントの主な種類
一口に迷惑アカウントと言っても、いくつかのパターンがあります。
代表的なものを、やさしく分類すると次のようになります。
- なりすまし型
有名人、企業、公式機関、あるいは友人や家族を名乗るケースです。
名前やアイコン写真を本物そっくりにして、信用させようとする特徴があります。 - 勧誘・営業型
投資、ビジネス、副業、セミナー、オンラインサロンなどへの参加を持ちかけてくるタイプです。
最初は普通の会話から入り、途中から勧誘色が強くなっていくこともあります。 - 宣伝・スパム型
商品やサービスのページ、他サイトのリンクを大量に送りつけてくるアカウントです。
個別のやり取りというより、一方的な広告メッセージに近い場合が多いです。 - お金目当て・詐欺型
お金を貸してほしい、投資すれば増える、特別な情報があるなどと持ちかけてきます。
銀行口座、クレジットカード、暗証番号、電子マネー、ギフト券コードなどを聞き出そうとするケースも含まれます。
このようなアカウントは、最初からあからさまに怪しい態度とは限りません。
優しい言葉をかけてきたり、自分の話をよく聞いてくれるように見せかける場合もあります。
大事なのは
「どれだけ親しげでも、知らない相手からお金や個人情報の話が出たら慎重になる」
という目線を持っておくことです。
50代60代が投資や副業の勧誘で狙われやすい背景
迷惑アカウントや詐欺的な勧誘のターゲットとして、50代・60代が多く含まれると言われる理由には、いくつかの背景があります。
- 老後資金や年金に対する不安が大きい
これから先の生活費や医療費が気になる年代だからこそ
「資産を増やす方法があります」
「年金だけに頼らない収入源が必要です」
といった言葉に心が揺れやすくなりがちです。 - SNSやネットサービスに触れてきた期間が比較的短い
若い世代に比べると、SNSを使い始めた時期が遅い方も多く、
「どこまでが普通で、どこからが危ないのか」
の感覚がつかみにくいことがあります。 - 真面目で断りづらい性格につけ込まれやすい
相手に失礼がないように、丁寧に対応しようとする気持ちを
利用されてしまうケースも少なくありません。
こうした状況から、投資や副業の勧誘アカウントは、
中高年世代に向けてメッセージを送ってくることがあります。
ただし、これは「自分が甘いから狙われる」という話ではありません。
むしろ、人生経験が豊かで、誠実に人と向き合おうとする人ほど標的にされやすいとも言えます。
そのため、まずは
「自分に隙があるから悪い」と考えるのではなく、
「狙う側がそういう世代を標的にしている」と捉えるほうが、心が少し軽くなるかもしれません。
迷惑アカウントと距離を取ることで守れるもの
迷惑アカウントと距離を取ることは、
お金を守るためだけではありません。
実は、次のような大切なものも一緒に守ることにつながります。
- お金
直接的な被害だけでなく、繰り返し少額を支払うような形のトラブルもあります。
最初の一歩を踏み出さないことが何よりの防御になります。 - 時間
勧誘メッセージへの対応や、長々と続くやり取りは、多くの時間を奪います。
「怪しいかな」と感じた時点で距離を取れば、その時間を自分や家族のために使えます。 - 気力・心の余裕
しつこいメッセージを受け続けると、気持ちがすり減っていきます。
不安やイライラ、自己嫌悪を防ぐためにも、「関わらない」選択は大切です。 - 家族との関係
お金のトラブルは、家族の信頼関係にも影響します。
迷惑アカウントと早めに距離を取っておくことで、家族に心配をかけずに済むこともあります。
ブロックする、返信しない、距離を置くという行動は、
決して弱さではありません。
自分と家族を守るための、落ち着いた判断だと考えてよいでしょう。
「怪しいかも」と感じたときに自分を責めないことの大切さ
迷惑アカウントのやり口は、年々巧妙になっています。
見慣れた企業ロゴを使ったり、日本語も自然に見えるよう工夫されていたりするため、
「最初は普通のアカウントに見えた」ということも十分ありえます。
そのため、
- 「こんなメッセージに反応してしまって、自分は判断力がないのでは」
- 「少しでも信じてしまった自分が情けない」
と、自分を責めてしまう方も少なくありません。
ただ、ここで大切なのは、
- 騙す側は、人の寂しさや不安を研究している
- 多くの人をだますために、時間とお金をかけて「それらしく見せている」
という事実です。
つまり、だまされそうになるのは「自分のせい」ではなく、「手口が巧妙だから」という側面が大きいと考えてよいでしょう。
もし「怪しいかも」と感じたら、
- そこで止まれた自分を評価する
- 一人で抱え込まず、家族や身近な人に画面を見せてみる
- 不安な気持ちを言葉にして、誰かに聞いてもらう
といった行動を取ってもよいと思います。
この先の章では、
具体的にどんなサインに気をつければよいか、
距離を取るためにどんな操作や考え方があるのかを、
もう少し細かく見ていきます。
最初からすべてを覚えようとせず、
「これは覚えておきたい」と思ったポイントだけ、少しずつ取り入れていきましょう。
なりすまし・偽プロフィールのサインを見抜く
迷惑アカウントの中でも、特にやっかいなのが「なりすまし」や「偽プロフィール」です。
本物の利用者に見せかけて近づいてくるため、最初は普通の人との違いが分かりにくい場合があります。
ここでは、プロフィールを見るときに意識しておきたいポイントを整理します。
完璧に見抜く必要はありません。
「少し変だな」と感じたときに立ち止まる目安として読んでみてください。
プロフィール写真・名前・自己紹介の不自然さを見る
まずは、一番目につきやすい プロフィール写真・名前・自己紹介 から確認します。
気をつけたいポイントは次のようなものです。
- 明らかに有名人の写真を使っている
テレビで見る俳優、スポーツ選手、歌手の顔がそのままアイコンになっている場合です。
公式アカウント以外がこれらの写真を使っていたら、ほぼなりすましと考えてよいでしょう。 - 顔写真が「整いすぎている」「どこか不自然」
シワや毛穴がほとんど無く、肌がツルツル過ぎる。
目だけが不自然に大きい。
どこか現実離れした雰囲気の顔。
こうした画像は、AIで作られた顔や、どこかから拾ってきた写真の可能性があります。 - 名前とプロフィールの組み合わせが不自然
外国人名なのにプロフィール文は日本語だけ。
逆に、日本人名なのに、自己紹介は海外の投資や暗号資産の話ばかり。
性別と書いている内容が全く一致しないなど、違和感がある組み合わせも注意ポイントです。 - 経歴アピールが極端
「年収何千万」「短期間で資産が何倍」
「世界を飛び回る投資家」「有名企業の役員」
といった、現実離れした自慢話ばかり並んでいる場合も要注意です。
一つ一つは決め手にならなくても、
「写真」「名前」「自己紹介」を合わせて見たときに違和感が多いほど、距離を取ってよい相手 と考えて構いません。
フォロワー数・友だち数・投稿履歴のバランスをチェックする
次に見たいのが、フォロワー数や友だち数、投稿履歴とのバランスです。
例えば、次のようなパターンには注意が必要です。
- フォロワー(友だち)は多いのに、投稿がほとんどない
数千人のフォロワーがいるのに、投稿は数件だけ。
しかも内容が薄い、同じような文章ばかり。
フォロワー数を増やすための不自然な操作をしている可能性があります。 - アカウントを作った時期がごく最近
作成から日が浅いのに、いきなり投資や副業の話をしてくる。
プロフィール欄だけ立派で、中身のやり取りが少ない。
このような場合は、「長く使うつもりのない一時的なアカウント」の可能性もあります。 - 投稿内容がコピーのように見える
同じ文章が何度も投稿されている。
他人の言葉をそのまま貼り付けたように見える。
どの投稿にも、ほぼ同じ写真と決まり文句だけが並んでいる。
こうした特徴がいくつも重なっている場合、
「普通の利用者というより、何かを宣伝するためだけのアカウントかもしれない」と一度疑ってみる ことが大切です。
バランスを見るときのコツは、
- フォロワー数だけに惑わされない
- 投稿の中身と、自己紹介文が一致しているか見る
という二点です。
有名人や公的機関を名乗るアカウントを確かめるコツ
有名人や企業、役所などの名前を名乗るアカウントも、多くの人の注意を引きやすい存在です。
ただし、中には本物そっくりに見せかけた偽物も紛れています。
確認するときは、次の流れを意識すると安心です。
- 公式サイトからたどる
有名人や企業、自治体の公式サイトには、
「公式SNSはこちら」といった形でリンクが載っていることが多いです。
SNS側から探すより、公式サイト側からリンクで飛ぶほうが確実です。 - 認証マークだけをうのみにしない
SNSによっては、名前の横にマークが付くことがあります。
以前は「公式の証明」の意味が強いマークも、今は単に有料プランの印である場合もあります。
マークがあるから絶対に安心、とは考えず、公式サイトとのつながりもあわせて確認したいところです。 - 名前が微妙に違うアカウントに注意
ほんの一文字だけ違う。
記号や数字が余計に入っている。
アイコン写真は本物そっくりなのに、アカウント名が少し違う。
こうしたケースも、なりすましであることが少なくありません。
有名人や公的機関を名乗るアカウントから、
いきなり個別メッセージで投資やお金の話をされるのも不自然です。
「本当にそんなやり取りをする立場かどうか」
という視点で一度立ち止まると、冷静に見やすくなります。
知り合いを名乗るメッセージが来たときの確認方法
一番やっかいなのが、知り合いを名乗るアカウントです。
名前やアイコンだけを見ると、家族や友人に見えることもあります。
次のような点に注意してみてください。
- 名前が微妙に違う
漢字が一文字違う。
いつも使っているニックネームと少し違う。
苗字だけ、名前だけ、といった不自然な表記。 - 文体や話し方がいつもと違う
普段は敬語なのに、急に砕けた言葉になっている。
逆に、いつもはカジュアルなのに、やたらと丁寧すぎる。
絵文字や句読点の使い方が、普段のやり取りと大きく違う。 - いきなりお金や急ぎの用事を持ちかけてくる
「今すぐお金を振り込んでほしい」
「スマホが壊れたから、代わりに支払ってほしい」
といった話を、突然持ちかけてくる場合も要注意です。
少しでも違和感があれば、
そのメッセージの中だけで判断しないことが大切です。
確認のしかたとしては、
- いつも使っている別の連絡手段で本人に確認する
電話番号、メール、別のチャットアプリなどです。
「このアカウントからメッセージが来たけれど、本当にあなたか」と確かめます。 - 家族や身近な人に画面を見せて相談する
自分だけで判断せず、「このメッセージはどう思う?」と聞いてみることも有効です。
「もし本物だったら失礼ではないか」と心配になるかもしれません。
ただ、本当にその人が困っている状況であれば、
本人も身元確認をしてくれたほうが安心できます。
少しでも「いつもと違う」と感じたら、
その違和感を大事にして、一度立ち止まるようにしてみてください。
次の章では、特にお金や副業の勧誘に共通するメッセージの特徴を見ていきます。
お金や副業の勧誘アカウントに共通するメッセージ
投資や副業の話を持ちかけてくるアカウントは、表現の細かな違いはあっても、よく見ると似たような言い回しや流れを使うことが多いです。
ここでは、メッセージの内容から「これは距離を取りたい相手かもしれない」と気づくためのポイントを整理します。
「必ず儲かる」「今だけ」など危険な決まり文句
投資詐欺や怪しい副業によく見られるのが、次のような言葉です。
- 「必ず儲かります」
- 「絶対に損しません」
- 「今だけの特別な情報です」
- 「誰でも簡単に月◯万円」
- 「何もせずに自動でお金が増えます」
こういった表現には、いくつか共通点があります。
- 結果を保証する言い方になっている
- リスクや注意点の説明がほとんど無い
- 短期間で大きな利益が出ることを強調している
- 「今すぐ決めないと損をする」と急がせてくる
現実の投資や仕事には、必ず良い面と悪い面があります。
それなのに、良いことしか書いていない案内は、それだけで疑ってよいサインと考えてかまいません。
また、
- 「特別に教えます」
- 「選ばれた人だけの情報です」
といった言い方も、相手に「断りにくさ」を感じさせるための常套句です。
こうした決まり文句がいくつも重なっているメッセージは、
内容を読む前に一歩引いて見るくらいがちょうどよいでしょう。
投資コミュニティ・副業グループへの招待パターン
最近増えているのが、投資コミュニティや副業グループへ誘う流れです。
大まかなパターンは次のようなイメージです。
- SNSやチャットで、個別メッセージが届く
「投資に興味はありますか」
「老後のお金が心配ではありませんか」
といった話題から入ることが多いです。 - 簡単なやり取りのあと、「詳しい話はグループで」と案内される
ここで、別のグループチャットや、別のアプリへの参加を勧められます。 - グループ内で、実績や成功談が次々に投稿される
「こんなに儲かりました」「今月の利益です」
といった画面のスクリーンショットや、体験談らしき文章が並びます。 - 最終的に、
- 投資用の口座開設
- よく知らないサイトへの登録
- 大きな金額の入金
などを急かされる
このような流れになった時点で、かなり危険度が高いと考えてよいでしょう。
特に、
- グループの参加を強く勧められる
- 退出しにくい雰囲気を作られる
- 反対意見を言いにくい空気がある
と感じたら、早めに距離を取ることが大切です。
不安があれば、「参加しません」と一言伝えるか、静かに退出する選択肢を持っていてよいでしょう。
怪しいURLリンク・別サイト登録を急がせるサイン
メッセージの中に、見慣れないURLリンクが含まれている場合も注意が必要です。
押さえておきたいポイントは次の通りです。
- 不自然に長いURL
英数字や記号が長く並び、どこに飛ぶのか分かりにくいものは慎重に扱ったほうが安心です。 - 公式サイトに見せかけた似たドメイン
ほんの一文字だけ違う
「.com」と「.net」など、似ているが別のドメインになっている
こうしたURLは、本物のサイトに似せた偽サイトの可能性があります。 - いきなり登録を促すメッセージ
「ここから登録してください」
「このリンクから口座を作れば大丈夫です」
といった案内だけで、サービスの中身や会社情報の説明がほとんどないときも危険度が高いです。
さらに、
- 「今すぐこのリンクを開いてください」
- 「今日中に登録しないと権利がなくなります」
と急がせる言葉が重なったら、リンクは開かず、そのまま閉じることをおすすめします。
どうしても気になる場合でも、
検索エンジンで会社名やサービス名を自分で調べ直し、
信頼できる情報かどうかを別ルートで確認するほうが安心です。
お金・口座・暗号資産・ギフト券の話が出てきたときの止まり方
メッセージの中に、次のような話題が出てきた時点で、
「ここから先は進まない」と決めておくラインを持っておくと安全度が上がります。
- 銀行口座番号やクレジットカード情報
- 暗号資産(ビットコインなど)での送金依頼
- 電子マネーやギフト券のコードを写真で送るように求められる
- 大きな金額を一括で入金するよう勧められる
このような話題になったら、次のような対応を取ってよいでしょう。
- それ以上は返事をしない
既読を付けないようにする、通知をオフにする、なども一つの方法です。 - シンプルに断る一言を送る
例としては、
「お金の話には参加しません。」
「これ以上のお話は控えさせてください。」
といった短い文で十分です。 - 必要に応じてブロック・通報を検討する
しつこくお金の話を続けてくる場合は、ブロック機能を使ってもかまいません。
明らかにおかしいと感じたときは、通報機能を使うことも、自分と他の利用者を守ることにつながります。
大切なのは、「相手に悪いから」と我慢しないことです。
やり取りを続けるかどうかを決める権利は、あなたの側にあります。
少しでも不安を感じたら、
- そこで会話を終わらせる
- 家族に画面を見せて相談する
- メッセージを保存しておき、必要なら相談窓口に見せる
といった行動を取っても問題ありません。
次の章では、お金の話以外でも、日々のやり取りの中で感じる「違和感」の見つけ方と、立ち止まるためのチェックポイントを整理していきます。
やり取りの中で感じる違和感のチェックポイント
迷惑アカウントは、プロフィールだけでなく、実際の会話の中にもいくつか共通した特徴があります。
最初は普通の話をしていても、やり取りを続けるうちに
「なんとなく違和感がある」
と感じる場面が出てくるかもしれません。
ここでは、会話の流れの中で気づきやすいポイントを整理します。
すべてを覚えなくても大丈夫です。
自分が「これは覚えておきたい」と感じるものを、いくつか頭の片すみに置いておく程度で十分でしょう。
会話が一方的・日本語が不自然・質問に答えない相手
まず注目したいのは、会話のキャッチボールが成立しているかどうかです。
次のような特徴が続く相手は、少し距離を置いて考えたほうが安心かもしれません。
- 一方的に長文を送りつけてくる
相手の話ばかりで、こちらの返事にはあまり触れないパターンです。
投資や副業、自己紹介といった名目で、長い文章が何度も届くだけというケースもあります。 - 日本語がどこか不自然
普段見慣れない言い回しが多い
敬語とタメ口が混ざっている
文の途中で主語が変わっている
このような文は、翻訳ソフトで作られた文章や、テンプレート文を貼り付けている可能性があります。 - こちらの質問に答えない
「どこの地域にお住まいですか」
「お仕事はどんな分野ですか」
といった当たり障りのない質問をしても、話をそらす、違う話題で返すなど、質問にほとんど答えない相手も要注意です。
普通の会話であれば、お互いの話題を少しずつ交換する形になります。
ところが、迷惑アカウントの多くは、
「言いたいことだけを一方的に伝える」
というパターンが目立ちます。
このような違和感が重なってきたら、
無理に会話を続けず、一度やり取りを止める選択を持ってもよいでしょう。
すぐに個人情報や別の連絡先を聞いてくるパターン
次に気をつけたいのが、個人情報を急いで聞いてくる相手です。
例えば、まだ数回しかやり取りをしていない段階で、
- 「どこに住んでいるのですか。市区町村まで教えてください。」
- 「電話番号を教えてください。直接話したいです。」
- 「家族構成を知りたいです。お子さんは何人いますか。」
- 「メールアドレスや別のアプリのIDを教えてください。」
といった質問をしてくる相手は要注意です。
最初のうちは、
- 「もっと仲良くなりたいから」
- 「直接のほうが話しやすいから」
という理由をつけて近づいてくるかもしれません。
しかし、必要以上に早いタイミングで個人情報を聞いてくること自体が、危険なサインと考えたほうが安全です。
特に、
- 住所を細かく聞かれる
- 勤務先や仕事の詳細を知りたがる
- 家族がいつ家にいるかといった生活パターンを聞いてくる
といった質問が続く場合は、そこで会話をストップしてよいでしょう。
個人情報は、一度伝えてしまうと取り消すことが難しい情報です。
「まだあまり知らない相手には詳しいことは話さない」と、あらかじめ決めておくと安心感が高まります。
寂しさや不安につけ込んでくる言葉の特徴
迷惑アカウントの中には、相手の心の状態につけ込むタイプもあります。
最初のうちは優しい言葉をかけながら、少しずつ距離を縮めようとしてくるケースです。
例えば、次のような言葉が続く場合があります。
- 「あなたなら分かってくれると思いました。」
- 「周りには話せる人がいません。あなたにだけ話します。」
- 「特別に、あなたにだけ教えます。」
- 「これは普通の人には話さない話です。」
このような言い回しには、次のような狙いが含まれていることがあります。
- 「自分は特別だ」と思わせて、断りにくくする
- 相手の寂しさや不安に寄り添うふりをして、信頼させる
- 「ここまで話してしまったから、もう断りにくい」と感じさせる
もちろん、本当に困っていて相談している人もいます。
しかし、このような言葉が出たあとに、お金や投資の話につなげてくる場合は特に注意が必要です。
「特別」「あなたにだけ」という言葉が出てきたときは、
少し距離を取ってメッセージ全体を見直してみるとよいでしょう。
少しでもモヤっとしたら一度立ち止まる習慣
一番大事なのは、自分の違和感を軽く扱わないことです。
- 説明は丁寧だけれど、なぜか落ち着かない
- 言っていることは筋が通っているように見えるが、心がざわつく
- いい人そうに見えるけれど、どこかひっかかる
こうした感覚は、言葉にしづらくても、大切な「サイン」かもしれません。
モヤっとしたときの対処として、次のような習慣を持っておくと安心です。
- 会話をいったん中断する
すぐに返事をするのではなく、スマホを置いてお茶を飲む、別のことをするなど、時間をあけてから読み直します。 - スクリーンショットを撮っておく
画面を保存しておくことで、後から家族や友人に見せて相談しやすくなります。
自分だけで判断しなくてよいという安心感にもつながります。 - メモに残して整理してみる
「どの言葉が気になるのか」
「どの場面で不安を感じたのか」
簡単に書き出してみると、違和感の理由が見えやすくなる場合があります。 - 家族や身近な人に「どう思う?」と聞いてみる
自分とは違う視点で見てもらうことで、冷静な判断がしやすくなります。
迷惑アカウントかどうかを、自分一人で完璧に見抜く必要はありません。
少しでも不安を感じたら一度立ち止まり、誰かに相談してもよいという考え方を持っておくことが、心の負担を減らす助けになります。
このあとの章では、実際に距離を取るときに役立つ、ブロック・ミュート・通報などの機能の考え方を整理していきます。
距離を取るための基本操作|ブロック・ミュート・通報の使い方
迷惑アカウントと距離を取りたいと感じた時に役立つのが、
ブロック・ミュート(通知オフ)・通報といった機能です。
どれも多くのSNSやチャットアプリに共通する考え方ですが、
名前やボタンの位置はサービスによって少しずつ違います。
ここでは細かい操作手順ではなく、
「それぞれをどんな場面で使うものだと考えればよいか」
をイメージできるように整理していきます。
ブロックでできること・できないことのイメージ
ブロックは、相手とのやり取り自体を止めるための強めの機能です。
おおまかなイメージは次の通りです。
ブロックでできることの例
- 相手からメッセージが届かなくなる
- 新しい友だち申請やフォローをされなくなる
- 相手がこちらのプロフィールや投稿を見づらくなる(サービスによって異なる)
一言で言うと、
「これ以上関わりたくない相手との窓口を閉じる機能」と考えると分かりやすいかもしれません。
一方で、ブロックにも限界があります。
ブロックでもできないことの例
- それまでに送られてきたメッセージが、自動的にすべて消えるわけではない
- 相手が別のアカウントを作って連絡してくる可能性までは、防ぎきれない
- 相手側の画面に「ブロックされました」と出る場合もあり、相手が気づくこともある
とはいえ、迷惑アカウントやしつこい勧誘相手に対しては、
ブロックを使うこと自体、失礼ではありません。
自分と家族を守るための安全策と考えてよい機能です。
「これ以上は無理だな」と感じたら、ブロックを検討して構いません。
ミュート・非表示で「見えないようにする」方法
ブロックほど強く距離を取りたいわけではないが、
「通知が多くて疲れてしまう」「タイムラインに出てくると気になる」
という場合に役立つのが、ミュートや非表示の設定です。
イメージとしては、次のような役割があります。
- ミュート(通知オフ)
相手からメッセージや投稿が来ても、
音やポップアップ通知が出ないようにする考え方です。
アプリを開けば内容は読めますが、スマホ画面に頻繁に表示されない分、気持ちが少し静かになります。 - 非表示・フォロー解除に近い動き
特定の相手の投稿を、自分のタイムラインに表示させない設定です。
相手はそのことに気づかないまま、自分の画面からだけ見えなくするイメージです。
ミュートや非表示は、
- 「完全に切るのはためらう」
- 「知らない人ではないが、頻度が多くて疲れる」
というときに使いやすい機能です。
連絡を完全に断つわけではなく、自分の心が落ち着く距離を作るための調整と考えるとよいでしょう。
通報機能の役割と、迷ったときに使ってよい理由
通報は、運営側に「このアカウントはおかしいかもしれません」と知らせる機能です。
例えば、次のような場合に検討できます。
- お金や投資、副業の勧誘が明らかにしつこい
- なりすましや偽プロフィールの可能性が高いと感じる
- 過激な言葉や不快なメッセージが続く
- 他の人にも被害が出そうだと感じる
通報をするとどうなるかはサービスによって違いますが、
一般的には、運営側が内容を確認し、必要に応じて警告やアカウント停止などの対応を取ります。
ここで覚えておきたいのは、
通報は「相手を攻撃する行為」ではなく、「状況を運営に知らせる行為」だということです。
迷ったときは、
- 本当に迷惑行為かどうかを自分一人で決めようとしない
- 気になる相手がいたら、「運営に任せる」つもりで通報を検討する
くらいの感覚でも構いません。
通報をすることで、
自分だけでなく、他の利用者が同じ相手に悩まされることを防げる場合もあります。
会話を終えたいときのシンプルな一言例
ブロックや通報をする前に、
「一言だけ伝えて会話を終えたい」
という場面もあるかもしれません。
そんなときのために、角が立ちにくい締めのフレーズをいくつか持っておくと安心です。
例えば、次のような言い方があります。
- お金や勧誘の話を断りたいとき
- 「お金の話には参加しないようにしています。」
- 「投資や副業のご案内はお受けしていません。」
- これ以上やり取りを続けたくないとき
- 「これ以上のお話は控えさせてください。」
- 「ここでやり取りを終わりにさせていただきます。」
- 相手に失礼にならないよう、穏やかに距離を取りたいとき
- 「事情があり、しばらく連絡を控えたいと思っています。」
- 「他のことに時間を使いたいので、ここで区切らせてください。」
どれも長々と説明する必要はありません。
短く、事務的なくらいでちょうどよい場合が多いです。
一言送ったあと、
それでもしつこく連絡が続くようであれば、
ブロックや通報を検討して構いません。
大切なのは、
「我慢して最後まで付き合わないといけない」
と考えすぎないことです。
会話を終えるタイミングも、距離の取り方も、
本来は自分で決めてよいものです。
次の章では、お金の話が出たときにどこで止まるか、誰に相談すればよいかという視点から、判断基準と相談先について整理していきます。
お金の話が出てきたときの判断基準と相談先
迷惑アカウントかどうかを見分けるうえで、お金の話が出てきたタイミングは、とても大事な分かれ目になります。
この章では、
- どんな状況なら「ここで止まってよい」と考えてよいか
- 誰に、どのように相談すればよいか
という視点で整理していきます。
SNS投資・副業詐欺が50代60代に多い現状
ニュースや相談窓口の報告でも、SNS経由の投資・副業トラブルは年々増えていると言われます。
特に50代・60代は、次のような理由から狙われやすい年代です。
- 老後資金や生活費への不安があり、「資産を増やす方法」に目が向きやすい
- ネットやSNSの歴史を全部見てきたわけではなく、詐欺のパターンに慣れていないこともある
- 真面目で、相手に失礼がないよう対応しようとする人が多く、押しの強い相手を断りづらい
こうした背景から、
- SNSのメッセージで投資を持ちかけられた
- 副業のグループチャットに誘われた
- 「資産形成」「老後の安心」といった言葉をきっかけに話が広がった
といった相談が増えています。
大切なのは、
「この年代だから引っかかる」のではなく、「この年代を狙っている人がいる」
という見方を持つことです。
自分を責める必要はありません。
むしろ、こうした現状を知ったうえで、早めにブレーキをかけられることが何よりの予防策になります。
一度でも送金や個人情報提供を求められたら止まるライン
迷惑かどうか判断に迷う場面は多いですが、
はっきり「ここから先は進まない」と決めてよいラインを一つ持っておくと安心です。
目安としては、次のような場面です。
- お金を送るよう求められたとき
「少額でいいから試してみませんか」
「最初の手数料だけ支払えば大丈夫です」
という形でも、一度でも送金を求められたら、そこで止まってよいと考えてください。 - 銀行口座・クレジットカード情報・暗号資産ウォレットなどの情報を求められたとき
「入金のために必要です」
「本人確認のためにカード情報を教えてください」
といった言い方であっても、オンラインでのやり取りの相手に教えないのが基本です。 - 氏名・住所・生年月日・勤務先などを、まとめて聞かれるとき
通常の友人関係を超えた詳しい情報を一気に聞かれたら、その時点で一度ストップしてよいでしょう。
このような状況になったら、
- メッセージに返事をしない
- その場で判断しようとせず、画面を残した状態でスマホを閉じる
- ここから先は、自分一人では決めないとルール化する
といった対応をおすすめします。
「お金や個人情報を求められたら、その時点で家族か専門窓口に相談する」
これを、自分の中の基準として決めておいてもよいかもしれません。
家族や身近な人に画面を見せて一緒に考えてもらう
お金や個人情報の話が出てきたとき、
一人で判断しようとすると不安が大きくなりがちです。
そんなときは、家族や身近な人に画面を見せて一緒に考えてもらう方法があります。
声のかけ方は、難しく考えなくて構いません。
例えば、次のような伝え方でも十分です。
- 「ちょっと変なメッセージが来ている気がするので、一緒に見てもらえますか。」
- 「この投資の話をどう思うか、意見を聞かせてほしいです。」
- 「自分だけだと判断に迷うので、見てくれるとうれしいです。」
ポイントは、
- 「自分がだまされているかもしれない」という前提ではなく、「判断に迷うから相談したい」という言い方にする
- できれば、その場でスマホの画面を見せる
- 途中のやり取りも見られるよう、スクリーンショットやメッセージ履歴を残しておく
ことです。
家族に話しづらい場合は、
- 信頼している友人
- 日頃から相談している人(例:子ども世代、きょうだいなど)
に見てもらうのも一つの選択肢です。
自分一人で背負わず、「どこかおかしいかどうかを一緒に考えてもらう」という感覚で頼ってみてもよいでしょう。
消費生活センター・警察相談窓口など公的機関の活用
家族や身近な人に相談しても不安が残るとき、
あるいはすでにお金を払ってしまった、個人情報を伝えてしまったという場合は、
公的な相談窓口の利用も検討できます。
代表的な相談先としては、次のようなところがあります。
- 各地の消費生活センター
インターネット取引や投資、定期購入トラブルなど、幅広い消費生活の相談を受け付けています。
悩んでいる内容が「詐欺かどうか分からない」という段階でも、話してみてよい窓口です。 - 警察相談窓口(相談専用ダイヤルなど)
すぐに110番をかけるほどか迷うような場合は、警察の相談用窓口があります。
SNSやメールでの詐欺の可能性があるときに、「これは相談したほうがよいか」を聞く場として使えます。 - 金融機関の窓口
すでに振り込みやカード決済をしてしまった場合は、利用している銀行やカード会社にも連絡したほうがよいケースがあります。
振り込み先の口座凍結や、不審な利用の監視などの対応が取られることもあります。
緊急度の目安としては、
- 「これからお金を送ろうとしている段階」
→ まずは送金を止める。そのうえで、家族や消費生活センターなどに相談。 - 「すでにお金を送ってしまった」「口座・カード情報を伝えてしまった」
→ 早めに銀行やカード会社、必要に応じて警察相談窓口にも連絡を検討。
といったイメージです。
大切なのは、
「こんなことで相談してよいのだろうか」と遠慮しすぎないことです。
- 少しでも不安なら、早い段階で声を上げる
- 内容が整理できていなくても、「こういうメッセージが来て困っている」とそのまま伝える
これだけでも、状況が大きく悪化する前にストップをかけられる可能性があります。
お金に関わる話が出てきたときほど、
一人で抱え込まず、「ここから先は自分だけで決めない」と決めておくと、心の負担も軽くなりやすいでしょう。
このあとの章では、迷惑アカウントとの距離の取り方を通じて、日常のSNSとの付き合い方をどう整えていくかをまとめていきます。
迷惑アカウントに疲れないための通知・公開範囲の整え方
迷惑アカウントと距離を取るためには、相手を見分ける力だけでなく、そもそも近づかれにくい設定にしておくことも大きな助けになります。
ここでは、
- 知らない人からの連絡を減らすための公開範囲の整え方
- プロフィールの書き方を少し変える工夫
- 通知の整理で、不要なお知らせに振り回されない方法
- スマホとの距離を保つ考え方
を順番に見ていきます。
すべてを一度に変える必要はありません。できそうなところから一つずつで十分です。
知らない人からの連絡を減らすための公開範囲の見直し
迷惑アカウントからの連絡を減らす一番の方法は、知らない人がこちらに近づきにくい設定にしておくことです。
多くのSNSやチャットアプリには、次のような考え方に近い設定があります。
- 友だち申請(フォロー申請)を「誰でも」から「知り合い中心」に近づける
完全に閉じなくても、
「知り合い以外は承認しない」
「申請が来ても、知らない名前は基本スルーする」
といった自分なりのルールを決めるだけでも、負担はかなり減ります。 - メッセージを送れる相手の範囲を確認する
一部のサービスでは、「友だちだけ」「友だちの友だちまで」「誰からでも」といった範囲を選べる場合があります。
初期設定のままだと広くなっていることもあるため、一度設定画面で見直してみると安心です。 - 公開する投稿の範囲を調整する
「全体公開」ではなく、「友だちのみ」「自分だけ」など、投稿ごとに公開範囲を絞れるサービスもあります。
日常の様子や写真を投稿する場合は、広く知られなくてもよい内容なら、公開範囲を狭めておくとリスクを減らせます。
ポイントは、
「せっかくのSNSだから、できるだけ多くの人に見てもらわないと損」という考えに縛られなくてよいということです。
中高年の場合は特に、
「身近な人とだけ、静かにやり取りできれば十分」
と考えて設定を控えめにしても、まったく問題ありません。
プロフィール内容を絞って、狙われやすさを下げる
迷惑アカウントは、プロフィールに書かれている情報から相手を選ぶことがあります。
そのため、プロフィールの書き方を少し変えるだけでも、「狙われやすさ」を下げることにつながります。
見直したいポイントは次の通りです。
- 年齢を細かく書きすぎない
「60代前半」「50代」など、おおまかな表現で十分な場面も多いです。
必要のない場面で「〇〇歳」と細かく書く必要はありません。 - 住所をざっくりにとどめる
「東京都」「関西エリア」などのレベルで十分なことがほとんどです。
市区町村、最寄り駅名、地名を細かく書くほど、生活圏が特定されやすくなります。 - 職業や勤務先をぼかして書く
「会社員」「パート勤務」「医療関係」など、大まかな表現にとどめる方法もあります。
具体的な会社名や部署名まで書く必要はありません。 - お金に関する不安を書きすぎない
「老後資金が不安」「年金だけでは心配」などの言葉は、多くの人が抱える感情ですが、
それを詳しく書きすぎると、投資・副業勧誘の標的になりやすくなります。
プロフィールは、「安心してやり取りしたい人に、最低限の情報が伝わればよい」くらいの感覚で整えるとちょうどよくなります。
通知を整理して「必要な連絡だけ届く状態」に近づける
迷惑アカウントからのメッセージや、興味のないグループ招待が続くと、通知そのものがストレスの原因になります。
そこで、通知の設定を見直し、本当に必要な連絡だけに近づけていくことを意識してみてください。
具体的には、次のような調整が考えられます。
- グループの通知を見直す
参加しているグループが多いと、それだけ通知も増えます。
よく読むグループだけ通知をオンにし、それ以外は通知オフにするだけでも、画面の騒がしさは大きく変わります。 - 招待通知やキャンペーン通知をオフにする
一部のサービスでは、
「友だち追加の案内」
「キャンペーンのお知らせ」
「おすすめアカウントの紹介」
などがデフォルトでオンになっていることがあります。
設定画面でこれらをオフにすると、不要な通知が減り、迷惑アカウントの連絡にも気づきにくくなります。 - メール通知を減らす
SNSの通知をメールでも受け取る設定になっていると、受信箱がすぐにいっぱいになります。
「重要なお知らせだけメール」「その他はアプリ内の通知のみ」といった形に整理すると、気持ちも落ち着きやすくなります。
通知を減らすことで、
「画面が鳴るたびに、迷惑アカウントかもしれない」と不安になる時間を減らすことができます。
使う時間と頻度を決めて、スマホとの距離を保つ
迷惑アカウントに振り回されないためには、
設定だけでなく、スマホとの付き合い方そのものを少し見直すことも役に立ちます。
例えば、次のようなルールを、自分なりに決めてみる方法があります。
- SNSやチャットを見る時間帯を決める
「朝と夜に10分ずつだけ」
「夕食後に一度だけ」
など、あらかじめ時間を決めておくと、急なメッセージに振り回されにくくなります。 - 疲れたときはアプリを閉じる
少しでも「しんどい」「気が重い」と感じたら、そのタイミングでアプリを閉じてよいと決めておきます。
ログアウトする、スマホを別の部屋に置くなど、物理的に距離を取るのも一つの方法です。 - 夜遅くは通知を切る
夜間だけ通知をオフにする機能を使えば、寝る前や就寝中に、余計な通知で不安になりにくくなります。 - 見る回数を気にしすぎない
「時間を決めたのに、つい何度も見てしまった」と感じても、自分を責める必要はありません。
今日は多めに見てしまったなら、「明日は少し減らしてみようか」という程度で十分です。
迷惑アカウントへの対策は、
相手をどうするかだけでなく、自分がどの距離で付き合うかを決めることでもあります。
「この設定にすれば完璧」という正解を目指すよりも、
- 自分が落ち着いていられる範囲
- これなら続けられそうだと思えるルール
を少しずつ整えていくイメージで考えてみてください。
次のまとめでは、ここまでのポイントを振り返りながら、今日からできる小さな一歩を整理していきます。
まとめ|「おかしいかも」と感じたら無理に関わらなくてよい
迷惑アカウント・怪しいアカウントの主なサインの振り返り
ここまで見てきた迷惑アカウントの特徴を、いったん整理しておきます。
細かく覚えなくても大丈夫です。
ざっくりと、「こんなパターンは距離を取ってよい」と頭に置いておくだけで十分です。
たとえば、次のようなサインがありました。
- 顔写真やプロフィールが不自然
有名人の写真、AIで作ったような顔、極端な自慢話ばかりの自己紹介など。 - 投稿やフォロワー数のバランスがおかしい
フォロワーだけ多くて投稿がほとんどない。
どれも同じような文章で、中身が薄い。 - 会話が一方的で、日本語がどこか不自然
長文テンプレートのようなメッセージ。
こちらの質問に答えず、話したいことだけを続ける。 - 早い段階で個人情報や別の連絡先を聞いてくる
住所、電話番号、家族構成、別アプリのIDなどを急いで知りたがる。 - 投資・副業・お金の話が突然出てくる
必ず儲かる、今だけ、誰でも簡単、といった決まり文句。
その後に、送金や口座情報の話に進もうとする。 - 見慣れないURLや、別サイトへの登録を急かす
不自然に長いリンク。
本物そっくりの名前なのに、よく見ると違うサイト。
こうしたサインが一つでもあれば、
「もしかしたら怪しいかもしれないから、ここで一度止まろう」と考えてよいです。
すべてを完璧に見分ける必要はありません。
大切なのは、「おかしいかも」という自分の感覚を軽く扱わないことです。
今日からできる小さな対策を一つだけ決める
迷惑アカウント対策は、あれもこれも一度にやろうとすると疲れてしまいます。
最初は、今日から試せることを一つだけ決めるくらいで十分です。
たとえば、次のような小さな一歩があります。
- 「怪しいDMには返事をしない」と決める
特に、お金・投資・副業・別サイトへの登録を勧めるメッセージには、返事をしないと決めてしまう。 - ブロックや通報をためらわない
不安を感じた相手は、「相手に悪いかな」と考え過ぎず、ブロック候補にしてよいと自分に許可する。 - プロフィールを少しだけ見直す
年齢や住所、仕事の書き方を、ざっくりとした表現に変えてみる。 - 通知を一つだけ減らす
参加していないグループ招待や、興味のないお知らせ通知をオフにしてみる。 - 「お金の話が出たら、そこで家族に相談する」とルール化する
自分の中で、ラインを先に決めておくと、迷ったときにブレーキをかけやすくなります。
全部を完璧にする必要はありません。
一つでも行動を変えれば、その分だけ迷惑アカウントから距離を取りやすくなると考えてよいでしょう。
自分を責めず、困ったら周りに相談してよいという締めのメッセージ
迷惑アカウントに出会ったとき、
「うっかり返事をしてしまった」
「ここまで話を聞いてしまった」
と、自分を責めたくなることがあるかもしれません。
ただ、今は手口も文章も、とても巧妙です。
長年インターネットに触れてきた人でも、迷うようなケースが増えています。
大事なのは、
- 早めに「おかしいかも」と感じられたこと
- そこで立ち止まり、これ以上進まないと決められたこと
この二つです。
失敗ではなく、「次に同じ状況になったときの経験」として扱ってよい場面も多いでしょう。
もし不安が残るときは、
- 家族に画面を見せる
- 身近な人に「このメッセージをどう思う?」と聞いてみる
- 消費生活センターや警察相談窓口に、状況をそのまま伝えてみる
といった形で、周りの力を借りてよい場面です。
SNSやチャットは、本来、
・自分のペースで
・安心できる人と
・必要なときだけ
つながるための道具です。
迷惑アカウントを見分けるポイントを少し知っておくだけで、
「こわいから全部やめる」ではなく、
「無理をせず、距離を選びながら使う」という選択肢が取りやすくなります。
これからも、疲れたときは画面を閉じて休んでかまいません。
おかしいと感じた相手とは、無理に関わらなくてよい。
その前提を持ちながら、自分に合った使い方を少しずつ整えていくイメージで続けていきましょう。



